「認知症になった親の介護費用が足りない」
「実家を売却して費用に充てたいけれど、親の名義のままで売れるのだろうか?」
そんな悩みを抱えていませんか?
認知症で判断能力が低下した親の不動産は、通常の方法では売却できません。しかし、成年後見制度を利用すれば、適切な手続きを経て売却することが可能です。今回は、成年後見制度を使った不動産売却の方法を、わかりやすく解説します。
なぜ認知症の親の不動産は勝手に売却できないのか
本人の意思確認ができないと売買契約は無効
不動産の売買契約は、所有者本人の意思に基づいて行われる必要があります。認知症により判断能力が低下している場合、たとえ実の子どもであっても、親の代わりに勝手に不動産を売却することはできません。
もし、親の判断能力が不十分な状態で売買契約を結んでしまうと、その契約は無効となる可能性があります。後々、大きなトラブルに発展することもあるのです。
介護費用は待ってくれない
一方で、認知症の介護には多額の費用がかかります。
- 有料老人ホームの入居費用:数百万円〜数千万円
- 月々の施設利用料:15万円〜30万円
- 医療費や介護サービス費用
年金だけでは到底まかなえず、親の預貯金もすぐに底をついてしまいます。「実家を売却して介護費用に充てたい」と考えるのは、ごく自然なことです。
成年後見制度とは?
成年後見制度は、認知症や知的障害などで判断能力が不十分な方を法的に保護・支援する制度です。家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人が選任されることで、本人に代わって財産管理や契約行為を行うことができます。
成年後見人ができること
- 不動産の売却
- 預貯金の管理
- 介護施設との契約
- 医療契約
- 税金の支払い
- その他の財産管理
つまり、成年後見人に選任されれば、認知症の親に代わって実家を売却し、その資金を介護費用に充てることが可能になるのです。
成年後見制度を利用した不動産売却の流れ
ステップ1:成年後見の申し立て(1〜2ヶ月)
まず、家庭裁判所に成年後見の申し立てを行います。
必要な書類
- 申立書
- 親の診断書(認知症の状態を証明)
- 親の戸籍謄本、住民票
- 財産目録(不動産、預貯金など)
- 収支予定表
申立てができる人
- 本人(親)
- 配偶者
- 四親等内の親族(子供、孫、兄弟姉妹など)
ステップ2:家庭裁判所の調査(1〜2ヶ月)
家庭裁判所の調査官が、本人の状況を確認します。必要に応じて、本人との面談や医師への照会が行われます。
ステップ3:成年後見人の選任
家庭裁判所が成年後見人を選任します。成年後見人には、親族がなることも、弁護士などの専門家がなることも可能です。
ステップ4:不動産売却の許可申請
ここが重要なポイントです。成年後見人に選任されても、親の居住用不動産(実家など)を売却する場合は、家庭裁判所の許可が必要です。
許可申請に必要な理由の例は以下の通りです。
- 介護施設への入居費用が必要
- 施設の月額利用料の支払いが困難
- 親の生活や介護のために必要
家庭裁判所は、「本人(親)のために本当に必要か」を厳しく審査します。単に子どもの都合や相続対策のためでは許可されません。
ステップ5:不動産の売却
家庭裁判所の許可が下りたら、いよいよ不動産の売却手続きに入ります。成年後見人が売主として、買主と売買契約を結びます。
ステップ6:売却代金の管理
売却で得た資金は、すべて親のために使われなければなりません。成年後見人は、家庭裁判所に定期的に財産状況を報告する義務があります。
実際の事例:Eさん(55歳)のケース
相談時の状況
Eさんの母親(82歳)は、3年前にアルツハイマー型認知症と診断されました。自宅での生活が難しくなり、有料老人ホームへの入居を検討していましたが、費用が大きな問題でした。
- 入居一時金:500万円
- 月額利用料:25万円
- 母の年金:月12万円
- 母の預貯金:300万円
このままでは、1年程度で資金が底をついてしまいます。実家(評価額1,500万円)を売却できれば、十分な介護費用を確保できるのですが、母親は既に判断能力がなく、売買契約を結ぶことができません。
当相談室でのサポート
Eさんが当相談室にご相談くださり、以下のサポートを行いました。
- 成年後見制度の申し立てサポート
- 成年後見制度の仕組みのご説明
- 必要書類の準備アドバイス
- 提携司法書士・弁護士のご紹介
- 不動産売却のサポート
- 適正価格での査定
- 家庭裁判所への売却許可申請に必要な資料作成アドバイス
- 買主の募集
- 売買契約のサポート
6ヶ月後の結果
成年後見の申し立てから約3ヶ月で、弁護士が成年後見人に選任されました。財産額が大きく、親族間でも多少の意見の相違があったため、専門家である弁護士が選任されたことで、全員が安心できました。
その後、成年後見人である弁護士が家庭裁判所に不動産売却の許可申請を行い、約1ヶ月で許可が下りました。当相談室のサポートにより、実家は1,450万円で売却でき、母親の介護費用を十分に確保することができました。
Eさんのコメント
最初は『認知症の母の家を売ることなんてできるのか』と不安でした。でも、成年後見制度という方法があることを教えていただき、弁護士の先生が後見人になってくださったので、兄弟間のトラブルもなく安心して進められました。不動産売却も専門の方にサポートしていただけたので、スムーズに進みました。母も快適な施設で安心して暮らせています。
成年後見制度を利用する際の注意点
親族が後見人になる場合の負担
親族が成年後見人になった場合、想像以上に負担が大きいことを理解しておく必要があります。
- 定期的に家庭裁判所に財産状況を報告する義務
- すべての支出について領収書を保管し、説明できるようにする
- 財産を適切に管理する法的責任
- 他の親族から疑われたり、説明を求められたりするストレス
また、親族が財産を不正に利用してしまうリスクもあります。「親のお金だから少しくらい使っても」という軽い気持ちが、後に大きな問題に発展することもあります。
一度始めたら途中でやめられない
成年後見制度は、本人(親)が亡くなるまで続きます。「不動産を売却したから終わり」というわけにはいきません。継続的に財産管理を行い、家庭裁判所に報告する義務があります。
専門家が選任される場合もある
財産額が大きい場合や、親族間で意見の対立がある場合などは、家庭裁判所の判断で弁護士や司法書士などの専門家が成年後見人に選任されることがあります。その場合、専門家への報酬(月2〜6万円程度)が発生しますが、適切な財産管理と法的保護を受けられることを考えると、決して高くはない投資と言えるでしょう。
すべての売却が許可されるわけではない
家庭裁判所は、「本人のために本当に必要か」を厳しく審査します。以下のような理由では許可されません。
- 子どもの借金返済のため
- 相続税対策のため
- 子どもの住宅購入資金のため
あくまでも「親本人の生活や介護のため」が大前提です。
成年後見制度以外の選択肢|認知症になる前の対策
家族信託
もし親がまだ判断能力がある段階であれば、家族信託という方法もあります。これは、元気なうちに子どもに財産の管理を任せる契約を結ぶ制度です。認知症になった後でも、スムーズに不動産を売却できます。
ただし、既に認知症が進行している場合は、家族信託を利用することはできません。
任意後見制度
任意後見制度は、元気なうちに「将来、認知症になったらこの人に後見人になってもらう」と自分で決めておく制度です。こちらも、既に認知症が進行している場合は利用できません。
まとめ:諦める前に、まずは相談を
認知症の親の不動産は、成年後見制度を利用すれば売却が可能です。そして介護費用の確保は、親の尊厳ある生活を守るために必要なことです。
「手続きが難しそう」「時間がかかりそう」と不安に思うかもしれませんが、専門家のサポートがあれば、スムーズに進めることができます。
親の介護に真剣に向き合っているあなたを、私たちは全力でサポートします。一人で悩まず、まずはご相談ください。親御様にとって最善の方法を、一緒に考えましょう。
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