賃貸物件を借りるときには、敷金や礼金、仲介手数料といった「初期費用」がかかります。
しかし、初期費用は物件や不動産会社によって異なり、中には「敷金・礼金ゼロ」や「初期費用ゼロ」といった物件もあるのです。
賃貸物件を借りるときにかかる初期費用一覧
賃貸物件を借りるには、月額賃料の4~7ヶ月分程度の初期費用がかかるといわれています。
賃料が5万円の物件だとすれば、30万円以上の初期費用がかかることもあるということです。
まずは、どんな費用がどれだけかかるのかを確認していきましょう。
敷金
退去時の原状回復費用に充てられる費用です。原状回復費が敷金以下であれば、退去時に戻ってきます。
礼金
礼金は、家主さんに「貸してくれてありがとう」というお礼の意味をもつ費用です。敷金のように、退去時に戻ってくることはありません。
前払い賃料
入居する翌月の賃料の前払いにあたる費用です。また月の真ん中で入居した場合は、その月の賃料を日割り計算して、納入します。
仲介手数料
物件案内や賃貸契約の仲介をしてくれた不動産会社に支払う手数料です。
火災保険料
火災のみならず、落雷や水害、水漏れ時に物件や家財が対象となる火災保険の保険料。基本的には、2年間の火災保険を提案されるケースが多いです。
保証料
家賃滞納時に家主さんに対して家賃を保証する保証会社に支払う費用です。多くの物件で保証会社への加入が必要とされていますが、中には連帯保証人を立てなければならないケースもあります。
【見落とし注意】賃貸物件を借りるときの「隠れた費用」とは?
ここまで紹介した項目は、多くの賃貸物件でかかる初期費用です。
ただ実は、上記以外にも「隠れた費用」が存在します。この隠れた費用は不動産会社や家主によってかからないこともありますが、総額で家賃の1ヶ月分以上になる可能性もあるので必ず事前にチェックしておきましょう。
クリーニング代
昨今では、原状回復費にあたる「敷金」をゼロとする物件も多くあります。しかし「敷金ゼロ」物件の中には、敷金の代わりに「クリーニング代」を請求されることもあるので注意が必要です。
クリーニング代も概ね家賃の1ヶ月分程度。敷金同様、退去時の原状回復に充てられます。入居時に支払うこともあれば、退去時のこともあります。
鍵の交換費
前居住者と鍵を変えるための交換費用を請求されることもあります。費用は鍵の種類によって異なりますが、2万円前後が相場です。
物件によっては家主側が鍵の交換をしてくれることもあるので、事前に確認しておきたいポイントですね。
室内消毒料
入居前に、部屋の害虫駆除や消毒・消臭を行うための費用が請求されることもあります。
費用は業者によって異なりますが、数万円請求されることもあります。
「初期費用なし」の賃貸物件は大丈夫?
賃貸物件の中には、「敷金・礼金ゼロ」のものや「初期費用なし」と謳っているものもあります。
このような物件を借りれば初期費用は抑えられますが、初期費用が安い物件の「デメリット」もあらかじめ把握しておきましょう。
なぜ「敷金・礼金ゼロ」の物件があるの?
まず「敷金」とは、先述通り退去後の原状回復に充てられる費用です。
こちらも先述通り、「クリーニング代」として入居時に請求されたり、退去時に「原状回復費」として請求されたりする可能性もありますので、あらかじめ不動産会社に確認しておきましょう。
また、「礼金」は家主へのお礼にあたる費用。「礼金ゼロ」なら退去時等に請求されることはありませんが、礼金をゼロとしている理由を考えることも大切です。
地域によっては「礼金ゼロ」が一般的なこともありますが、競合物件がしっかり礼金を請求している中「ゼロ」としている場合は、需要が低くてそうせざるを得ないのかもしれません。
よって「礼金ゼロ」だからと即決するのではなく、類似物件と比較してなにか劣っている部分があるのか?そして劣っている部分があるとすれば、それを考慮してもなお借りる価値があるのか?を、十分に検討するようにしましょう。
「初期費用なし」のからくり
敷金や礼金はゼロでなくとも、初期費用をゼロとしている物件や不動産会社もあります。
つまり、入居時に収める費用がないということです。
ただし、初期費用ゼロの物件の中には、賃貸中の家賃に上乗せして初期費用を分割で支払っていかねければならないケースがあります。
- 賃料:5万円
- 初期費用:30万円
この場合、初期費用の30万円を1年払いとし、毎月25,000円を賃料に加えて支払うということです。
実質的には「初期費用ゼロ」ということはほとんどないため、ゼロの理由をしっかり確認しておきましょう。
賃貸物件の初期費用を安くする方法
それではここからは、具体的に賃貸物件を借りるときの初期費用を安くするための方法を3つ解説していきます。
1.敷金・礼金ゼロ物件や初期費用ゼロ物件を借りる
物件の良し悪しやその他の条件を置いておいて、「初期費用をなんとしても安くしたい」という場合には、やはり「敷金・礼金ゼロ」や「初期費用ゼロ」といった条件の物件を探してみましょう。
ただし、ここまで申し上げてきたことをまとめると、以下の点には注意が必要です。
- 敷金が「クリーニング代」として請求されないか?
- 退去後の原状回復費の扱いはどうなるか?
- 初期費用が家賃に上乗せされる場合、毎月支払えるか?
- その他、初期費用が安い理由があるか?
これらの点の確認は怠らないようにしましょう。
2.「フリーレント」物件を借りる
「フリーレント」物件とは、入居後の一定期間、家賃が無料になる賃貸住宅です。無料の期間は物件によって異なりますが、概ね1ヶ月~3ヶ月ほど。敷金・礼金については、かかるかかからないかは物件次第です。
ただ「フリーレント」という条件もまた、借り手をつきやすくするため施策の一つです。類似物件と比較して立地や築年数などの条件が悪い可能性もありますので、注意が必要です。
またフリーレント物件は、途中解約すると違約金を請求されるケースがあります。たとえば、「2年以上は住んでね」と契約期間が決まっていることが多いものです。
3.不動産会社を選ぶ
初期費用を抑える上では、不動産会社を選ぶことも非常に重要です。
不動産会社によって「敷金・礼金ゼロ」物件の豊富さや、初期費用として「隠れた費用」が請求されるかどうかといった傾向は分かれるもの。お部屋探しは往々にして「物件ありき」でされるものですが、実は、まず初めに不動産会社を選んで希望の条件を伝えておくのがおすすめなのです。
不動産会社を選ぶ際は、以下のようにある程度、選択の自由があったほうが初期費用は抑えやすいといえるでしょう。
- 火災保険を選べる
- 入居前のクリーニングや消毒がオプション
- 引っ越し業者を選べる
まとめ:初期費用を抑えて賃貸物件を借りたい方は不動産あんしん相談室へ
賃貸物件を借りるときの初期費用は、家賃の半年分以上など高額にもなりえます。
弊社、不動産あんしん相談室では、「初期費用を抑えたい」というご要望のみならず、「安心できる賃貸住宅を借りたい」「予算内の物件を探したい」「短期で住みたい」といった様々なご要望にお応えできる不動産業者です。
また、賃貸仲介のみならず管理や買取、売買仲介も行っており、公認不動産コンサルティングマスターやファイナンシャルプランニング技能士(FP)が在籍しているため、資金計画やリースバック(売却した物件への賃貸)、ご入居後の相談にも対応させていただきます。
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