司法書士は「登記」の専門家です。不動産における登記とは、所有権や抵当権などの権利の設定・抹消を指します。登記されているからこそ、不動産が誰のもので、どのような債務の担保になっているかがわかります。
不動産登記は、売買やローンの借り入れ、相続時に不可欠です。そこで今回は、不動産登記を司法書士に依頼するメリットや登録免許税の算出方法を解説します。
司法書士が担う不動産登記業務とは?
司法書士の業務は、不動産の「権利」に関する登記業務です。不動産の所在や面積などの物理的状況を表示した「表示登記」を扱うのは、土地家屋調査士となります。
所有権の移転・保存登記
住まいを新築した場合は、登記簿に所有者を登記しなければなりません。これを、所有権の保存登記といいます。一方、売買や贈与などにより所有者が変わった場合は、所有権の移転登記が必要です。所有権に関する登記は、登記簿の甲区に記録されます。
相続登記
相続登記も所有権の移転ですが、売買ではなく相続によって所有権が移転されます。司法書士は職務上、相続登記に必要な戸籍謄本などの書類を取得することも可能です。
相続した不動産は、3年以内の登記が義務付けられています。相続登記を怠った場合は、10万円以下の過料に科される可能性があるためご注意ください。
また、相続した不動産を売却するには、相続登記が不可欠です。売却する場合は3年という期日を待たず、売却する前に相続登記しなければなりません。
抵当権の設定・抹消登記
不動産を担保に融資を受けた場合は、不動産に抵当権を設定する必要があります。抵当権を設定するのは、ローンを借り入れる金融機関です。抵当権は、基本的にローンの完済とともに抹消します。抵当権は、登記簿の乙区に記録されます。
登録免許税の算出方法
不動産登記をするには、登録免許税を納める必要があります。登録免許税の計算方法は、基本的に以下のとおりです。
登録免許税額=課税標準×税率
登記や物件種別によって異なる税率は、以下のとおりです。
所有権移転登記
- 土地:1000分の15(2026年3月31日までの軽減税率)
- 土地以外:1000分の20(本則税率)
所有権移転登記の課税標準は、固定資産税評価額です。なお、マイホームの場合は、住宅の性能に応じて建物の税率が1000分の1〜1000分の3に軽減します。(2027年3月31日までの軽減税率)
相続登記
1000分の4(本則税率)
相続登記の課税標準も固定資産税評価額です。
抵当権設定・抹消
抵当権設定:1000分の1(2027年3月31日までの軽減税率)
抵当権設定登記の課税標準は、債権金額となります。
なお、抵当権抹消登記の登録免許税については「課税標準×税率」で算出せず、不動産1つにつき1,000円です。建物1つ、土地1つの場合は2,000円となります。
不動産登記を司法書士に依頼するメリット
不動産登記は自分でもできます。しかし、手間をかけず、正確かつスピーディーに登記できることから、司法書士に委託する意義は大きいといえるでしょう。
手間をかけず時短になる
不動産登記は、申請するだけで完了する手続きではありません。
登記の種類によって異なりますが、申請には登記事項証明書や評価証明書、戸籍謄本などが必要です。これらの書類は平日に役所や法務局などで取得しなければならないものも含まれるため、自身で登記するとなると時間や手間がかかります。
確実性を高める
登記申請書類の作成も簡単なものではありません。一つずつ調べたり、役所の方に聞いたりすれば自身でも作成可能ですが、申請書類に不備があった場合は差し戻され、また時間をかけて正しい内容に直すといった手間がかかることも少なくありません。
登記のミスは取り引きの相手にも影響するため、不動産売買に伴う所有権移転登記や抵当権の設定・抹消登記は司法書士に委託するのが一般的です。
司法書士に依頼するメリットが大きい事例
- 相続人が複数人いてすべての戸籍謄本等を取得するのが大変。相続登記や売買時の所有権移転登記に難航しそう
- 被相続人が転居・離婚などを繰り返していて出生から死亡までの戸籍を追えない
- 離婚する夫婦共有の不動産の登記申請を一緒にしたくない
基本的に、不動産取引を伴う登記はすべて確実性・効率性の観点から司法書士に依頼すべきと考えられますが、上記のように離婚や相続を伴うケースや仕事や育児で忙しくされている場合はとくにその重要性が高いといえるでしょう。
司法書士報酬の目安
登記手続きを司法書士に委託する場合は、登録免許税に加え、司法書士報酬が必要です。司法書士報酬の目安は次のとおりです。
- 所有権移転登記:5〜15万円程度
- 所有権保存登記:2〜5万円程度
- 相続登記:5〜10万円程度
- 抵当権設定登記:3〜10万円程度
- 抵当権抹消登記:1〜3万円程度
まとめ
不動産登記は、不動産の売買や相続、ローンの借り入れ・借り換えなどに不可欠な手続きです。司法書士は、不動産取引の重要な業務を担っているといえるでしょう。
とはいえ、登記の前には、課題を解決するためのサービスや仕組みの比較・検討、関係者間の協議、取引相手との売買などの工程が不可欠です。不動産あんしん相談室は、弁護士と連携して不動産取引前から取引後の諸問題を解決するためのサポートをさせていただいております。資金難、離婚、相続、共有持分トラブルなどでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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