家屋を取り壊して更地にするとき、あるいは建て替えをするときには「解体業者」に建物の解体を依頼します。ただ解体業者が、どのように解体作業を進めていくかご存じない方も多いのではないでしょうか?
不安を煽るわけではありませんが、実は解体業者によるトラブルというのは少なくありません。
そこで今回は、解体業者との間で起こりやすいトラブル事例とその対応策について解説していきます。
解体業者とのトラブル事例1.近隣住民からのクレーム
解体工事に伴い、最も多いともいえるトラブルが近隣住民からのクレームです。
クレームの内容は様々ですが「音がうるさい」「振動がある」「粉塵がまっている」などが主なもの。解体工事に際しては、ある程度の音や振動等が発生することは仕方ありません。
トラブルの要因
近隣住民からクレームが寄せられる大きな要因は、住民が「知らされていなかった」ことにあります。
いきなり近隣でいつ終わるとも分からない解体工事が連日続けば、住民は大きなストレスにもなるでしょう。
トラブルを避けるための対応策
近隣住民からのクレームを避けるには「気配り」がなにより重要なカギを握ります。
何も知らされずいきなり解体工事が始まるのと「〇月〇日より〇日間ほど、解体工事をさせていただきます。お騒がせいたしますが何卒よろしくお願いいたします。」と挨拶に来てから始まるのでは、クレームにつながるリスクは全く異なります。
そのため、まずクレームを避けるには解体工事の前には解体業者に事前通知をしてもらうことが何より重要です。
また工事中の騒音や粉塵を少しでも低減するためには、養生をしっかりしてもらうことも大切。見積もりの際には、「養生費が含まれているのか?」「しっかり養生をしてもらえるのか?」についても解体業者に確認しておきましょう。
解体業者とのトラブル事例2.工事遅延
解体工事は、安全性確保のため風雨が強い日や雪の日には作業できません。そのため、季節によっては工期が送れてしまうことも少なくありません。
ただ解体業者も、多少の工期の遅れは予測できるはず。もちろん震災が起きてしまったり、過去例に見ないほど雨が続いたりすれば別ですが、ある程度、天候を見越して工期を設定するのが優秀な解体業者だといえるでしょう。
更地にしたあと建て替えの予定がある場合には、その後の予定もリスケジュールせざるを得なくなってしまいます。
トラブルの要因
工期が遅れる要因となるのは、天候だけではありません。たとえば、解体業者の人手が少ない場合、あるいは受注が多すぎる場合でも、スケジュール通り工事が進まないことがあります。
また、たとえば梅雨時や秋の台風が多い時期に天候を考慮しないでスケジュールを立てれば、工期が遅れてしまうことは目に見えていますよね。
トラブルを避けるための対応策
「不測の事態を考慮しても、なお期日に間に合わせる」これは100%は無理だとしても、最大限、努力する、そして無理のない期日を設定することが解体業者の役割の一つです。
着工前に、解体業者が「ちゃんと期日を守れるか」を見定めることは難しいのですが、見積もり時の対応や担当者の人柄を見ることである程度の判断はできます。
「動かせない期日がある」という認識を合わせることも重要です。
不動産あんしん相談室では解体業者のご紹介業務も行っており、入札制度で見積もりを提出し、一番信用できるかつ価格も適正な業者を選んでいただくことが可能です。
解体業者とのトラブル事例3.見積額と請求額の相違
解体費用の見積もりを比較し、解体業者を選定される方も少なくないと思います。
ただ「解体費用」には、解体工事に伴う諸費用が含まれていない場合もあるので注意が必要です。
トラブルの要因
言い換えれば、「解体費」には建物の解体費用しか含まれていないことも多いのです。
- 足場・養生費
- 塀や外構の解体費
- 重機回送費
- 管理費
- 撤去費
たとえば、上記のような費用は「解体費」とは別に請求されることも。これら諸費用で「解体費」に匹敵するほどの価格になることも少なくありません。
また、解体途中にアスベスト(有害物質)等が見つかった場合、処理費用が追加で請求されることもあります。
つまり、工事前の見積もりと請求額に相違が生じてしまう理由は、2つ。1つは、見積もりに諸費用が含まれいなかった場合。そしてもう一つは、見積もりに含まれていない業務が発生した場合です。
トラブルを避けるための対応策
予想外の出費を防ぐには、まず工事前に「総額」の見積もりを取る必要があります。
解体業者のホームページ等に載っている価格は、多くの場合、建物の解体費のみ。諸費用は高額になることもありますので、あらかじめ解体費のみならず「総額」を教えてもらうようにしましょう。
そして工事中に有害物質や埋蔵物が出てきた場合、見積もりより請求額が高額になってしまうことは致し方ないことでもあります。
ただ「その可能性がある」としっかり伝えてくれるか否かによって、心とお金の準備は変わってくるはず。ですから、こちらが聞かずとも「こういうときは追加で費用をいただきます」と伝えてくれる解体業者を選ぶようにするといいですね。
解体業者とのトラブル事例4.工事が雑
どの解体業者も、建物の全部または一部を解体するという点は同じ。そのため、その「過程」を気にする方は少ないかもしれません。
解体は何かを造作する工事ではありませんが、仕事の丁寧さは求められるといえるでしょう。
また解体工事自体は問題なく進んだとしても、タバコの吸い殻が道路に散乱していたり、路上駐車を常習的に行っていたり……工事にあたる人員の管理が雑な解体業者も見られます。
トラブルの要因
工事の質に関しては、完全に解体業者次第です。
工事が雑な解体業者は「更地にする」という目的のみを重視する傾向にあります。
たしかに解体工事の目的は、建物を解体し、土地を更地にすること。しかし解体後すぐに新築等の工事が始められなかったりすれば、それは依頼主の「損失」となります。
また現場でマナーを守らない行為をされてしまうと、周辺住民からのクレームにもつながりかねません。
トラブルを避けるための対応策
この点についても、なかなか依頼前に「工事が丁寧な業者か」の判断は難しいところではあります。
そのため解体業者を決める際には、費用を比較するだけではなく、工事の工程や工事後のことについてもしっかり聞いておくことが大切です。
できれば「建物解体後、廃棄物やゴミがなく、土地の高低差もない状態」のような、工事後に施主が意図する状況を契約書に盛り込むことで、不安は払拭されるはずです。
不動産あんしん相談室では解体業者のご紹介業務も行っており、入札制度で見積もりを提出し、一番信用できるかつ価格も適正な業者を選んでいただくことが可能です。
解体業者とのトラブル事例5.解体業者の認識不足
最後は、これも決して少なくないトラブル事例。具体的は、以下のようなことです。
- 建物の解体だけ頼んだのに、ブロック塀まで取り壊されてしまった
- 外構の解体を依頼していないのに無くなっている
つまり、施主が意図しない結果になってしまうということですね。
トラブルの要因
解体工事といっても、全部が全部、土地に建つすべてのものを解体して更地にするというわけではありません。
リフォームや増改築等に伴う解体工事では「ここだけ解体して」「これは残して」というやり取りを解体業者とするはずです。
トラブルを避けるための対応策
解体業者と施主の認識を合わせるには、事前の打ち合わせと契約内容に十分、注意を払うようにしましょう。
施主と打ち合わせをする人と、実際に工事にあたる人が同じとは限りません。むしろ、同じではないことのほうが多いものです。
伝達ミスを防ぎ「言った・言わない」の問題にしないためには、施主の希望をしっかり書面に残す必要があります。
解体工事前には確実に契約書を交わし、その契約書に工事の範囲を明記してもらうようにしましょう。
まとめ
解体業者とのトラブルの多くは、業者の見極めが足りないこと、あるいは施主の希望を書面に残していないことに要因があります。つまり、工事前の段階でトラブルが発生してしまうリスクを最大限、回避することは可能なのです。
とはいえ、工事の前にトラブルにならない解体業者か判断するのは決して容易なことではありません。
不動産あんしん相談室では、業務上、多くの解体業者を見てまいりましたので、優秀な業者をご紹介させていただくことが可能です。
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