高齢世帯に介護や入院といった突発的な事態が発生すると、予想外の費用が必要になります。
費用の工面方法としてまず検討されるのは、自宅の売却やリバースモーゲージではないでしょうか。
しかし、これらの方法を選択してしまうと、家を子供たちに残すことが難しくなります。
そこで今回ご提案したいのが、【リースバック】という方法。
リースバックを利用すれば、まとまったお金を手に入れながら、今の家に住み続けることができます!
リースバックをおすすめする理由
一般的な売却やリバースモーゲージとは異なり、リースバックを使えば、家を子供たちに残しつつ老後資金の準備をすることが可能です。
家は家族の象徴であり、大切な思い出が詰まった場所。
お子さんたちへ相続財産として残したいというニーズは、家を大切にする日本では特に強いものです。
まだまだ認知度は高くありませんが、リースバックという制度を知っておくだけで理想の自宅活用法が見つかるかもしれません。
老後に必要なお金ってどのくらい?
リースバックの話へ行く前に、まずは老後どのくらいのお金が必要かを確認しておきましょう!
下記調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費の平均額は月額22万円。
ゆとりある老後生活のためには、1カ月あたり約35万円が必要という結果が出ました。
(引用元:「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版))
仮に60歳で退職し、80歳まで生きるとすると最低限生活に必要な費用の合計は、5,000万円を超えます。
年金を加味しても、2,000万円以上の貯蓄は必要となるでしょう。
介護や通院、入院が発生すると、さらに金額が跳ね上がります。
老後の生活では、人生の3大支出の1つに数えられるほど大きな支出の1つである【老後資金】をどのように準備するかが大きな課題になります。
自宅を売却して老後資金を準備する3つの方法
老後資金の準備方法としては、不動産売却やリバースモーゲージが使われています。
さらに近年では、「大切な家を子供たちに相続させたい」というニーズから、リースバックという方法が選択されるケースも増えています。
リースバックを使えば、老後資金を準備しつつ大切な家を相続財産として残すことが可能だからです。
不動産売却・リバースモーゲージ・リースバックの3つの方法を、比較しながら見ていきましょう。
①不動産売却とは
不動産売却とは、「不動産を売る方法」です。
不動産を売るとまとまったお金が手に入るというメリットがあります。
ただし、下記のようなデメリットも潜んでいます。
- 必ずしも売却がスムーズに進むとは限らない
- 買い手がつかないこともある
- 売却金額が想像していたよりも低い金額になってしまうケースが多い
- 売却手続きが完了するまで数カ月以上の期間を要することもある
- 人手に渡ってしまう
最もメジャーな方法ではありますが、「売却」なので、買主が家の新しい所有者になります。
よって、新しく住む家を見つけなければならないだけでなく、子供たちに残すことはできません。
「老後資金の準備」は可能ですが、「住み続けること」「子供に相続させたい」というニーズを併存させることは難しいと言えます。
②リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、「不動産(自分の家など)を担保にすることで、お金を融資してもらう制度」です。
日本では「逆抵当」や「逆抵当融資」とも呼ばれ、自治体や金融機関で提供しています。
不動産売却は基本的に一括で売却金額を受け取りますが、リバースモーゲージは一括型の他、年金のように少額ずつ受け取るタイプもあります。
どんな仕組み?
融資を受けていた方が亡くなったなどの事由が発生した段階で対象の不動産が売却され、金融機関や自治体が融資したお金を回収するという仕組みです。
リバースモーゲージのメリット
リバースモーゲージは月々の生活費の工面方法として、大きなメリットがあります。
月々の生活費をリバースモーゲージでの融資金額と合わせて再考すれば、より介護費用や入院費用を捻出しやすくなることでしょう。
不動産売却と異なり、家に住み続けられるところもメリットです。
リバースモーゲージのデメリット
不動産を担保に融資してもらう制度であるため、融資可能額より多くを受け取ることはできません。
よって、担保にする不動産の状況や価値によっては利用できないこともあります。
また、いずれ家が自治体や金融機関に回収されてしまうという点も注意したいもの。
「老後資金の工面に役立つ」というメリットのあるリバースモーゲージですが、「子供に相続させたい」というニーズを満たすことは難しくなります。
③リースバックとは
リースバックとは、「賃貸借契約がついた不動産売却」です。
「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれます。
リースバックを上手く活用すれば「老後費用を準備する」「家に住み続ける」「子供に家を相続させる」という3つのニーズを満たすことができます。
リースバックの仕組み
リースバックでは、買主に不動産を売却します。
この売買契約には賃貸借契約がついており、売却後も家に住み続けられるという点で不動産売却とは異なります。
リースバックのメリット
リースバックで家を売ることにより「ある程度のまとまった老後資金」と「家に住み続けられる」というメリットがあります。
リースバックの面白いところは、契約内容によっては「家を買い戻しできる」という点です。
不動産売却・リバースモーゲージとの違い
不動産売買は基本的に売るだけの契約です。
そしてリバースモーゲージは、死などの事由により家を回収されるという契約です。
対してリースバックは、事前にしっかりと計画を立てることによって「大切な家なのでいずれ手もとに戻したい」「子供に渡したい」というニーズを満たすことができるのです。
リースバックはノウハウのある不動産会社に相談を
リースバックは、
- 大切な不動産を子供に相続させたい
- 子供たちが今後も不動産を必要とする
- せっかく手に入れた財産を手放したくない
- 事業のために使いたいので、売却は避けたい
などのニーズがある場合に大きなメリットがあります。
ただし、リースバックは専門知識が必要なため、どこの不動産会社でも受け付けてくれるわけではありません。
3つのニーズを満たすためにも、リースバックを専門的に取り扱っている不動産会社に相談し、計画的に進める必要があるでしょう。
まずはリースバックが本当に適切か、契約内容をどうすべきか。
当相談室でも事情に合わせてお客様にあった計画提案を行なっております。
不動産の査定や相談は完全無料で行なっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。