住まいと大切な家族の両方を守りたいと考え、リースバックを希望される方は少なくありません。
リースバックは、自宅を売却したあと買主と賃貸借契約を結び、家賃を払いながら住み続ける方法です。ただし、住宅ローンの残債が売却価格を上回るオーバーローンの状態や、売却後の家賃負担によっては、希望どおりに進めることが難しい場合があります。
この記事では、愛媛県松山市の戸建てにお住まいだった40代のお客様が、大型犬との生活を守るためリースバックを検討したものの、条件と将来の負担を比較して任意売却へ切り替え、競売を回避した事例をご紹介します。リースバックだけにこだわらず、生活再建につながる方法を選ぶための確認ポイントも解説します。
一般社団法人 不動産あんしん相談室
代表 神田 加奈
公認 不動産コンサルティングマスター
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- ・公認 不動産コンサルティングマスター
- ・宅地建物取引士
- ・競売不動産取扱主任者
- ・2級ファイナンシャルプランナー
- ・住宅ローンアドバイザー
昨今の不動産トラブル増加傾向を受け、 自身の今までの苦労や経験で、 不動産の安心・安全な取引実現に貢献したいと考え 「不動産あんしん相談室®」を2017年末に開設。 2018年7月に商標登録し、 2019年6月一般社団法人不動産あんしん相談室を 設立しました。
代表者紹介・お問い合わせはこちら →今回のご相談|大型犬がいるため住み続けたい
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域 | 愛媛県松山市 |
| 物件 | 戸建て |
| 年代 | 40代 |
| 解決までの期間 | 7か月 |
| ご相談の背景 | 住宅ローンの支払いが難しくなり、競売を避けたい |
| 当初の希望 | 大型犬と今の家に住み続けるためのリースバック |
| 最終的な選択 | 条件を比較し、任意売却へ切り替え |
お客様は、大型犬と一緒に暮らせる賃貸住宅を探す難しさから、現在の家に住み続けられるリースバックを希望していました。一方で、住宅ローンの残債と不動産の見込み売却額を確認すると、オーバーローンとなる可能性がありました。
「住み続けたい」というお気持ちは大切です。しかし、家賃を無理なく支払い続けられるか、債権者の同意を得られる条件か、将来の生活費を確保できるかまで含めて考える必要があります。
なぜ大型犬がいると住み替えが難しく感じるのか
ペット可の賃貸物件であっても、犬の大きさや頭数に条件が設けられていることがあります。大型犬の場合、選択できる物件が限られ、敷金などの初期費用が増えることもあります。転居先が決まらない不安から「何としても今の家に残りたい」と思うのは自然なことです。
ただし、住み続ける方法を急いで決めると、売却後の家賃が家計を圧迫したり、契約期間やペット飼育条件が想定と異なったりすることがあります。まずはリースバックの仕組みと、住み替える場合の費用・時間を同じ表で比べることが大切です。
リースバックが難しくなる主な条件
売却価格より住宅ローン残債が多い
住宅ローンが残る不動産を売却するには、原則として抵当権を外す必要があります。売却代金だけで完済できない場合、金融機関との調整が必要です。リースバック会社の査定額が希望額に届かず、債権者の同意を得られないこともあります。
売却後の家賃を継続して払えるか
リースバックでは住宅ローンの支払いがなくなる一方、新たに家賃が発生します。査定額だけでなく、毎月の家賃、契約期間、更新条件、退去条件を確認し、収入と生活費を踏まえて無理のない計画かを検討します。
買い戻しを前提にしすぎている
将来買い戻せる契約もありますが、価格や期限などの条件があります。「いずれ必ず戻せる」と考えず、買い戻せない場合にも生活が成り立つかを確認しておくことが大切です。
リースバックと任意売却を比較する
| 比較点 | リースバック | 任意売却 |
|---|---|---|
| 住まい | 条件が合えば売却後も居住を継続 | 原則として転居先を探す |
| 毎月の負担 | 家賃が発生 | 転居後の家賃・住居費が発生 |
| オーバーローン | 買取額と残債の差が大きいと成立が難しい場合がある | 債権者の同意を得て相場に近い価格で売却を目指す |
| 重視する点 | 居住継続と家賃負担の両立 | 競売回避と売却後の生活再建 |
どちらが優れているかではなく、現在の残債、査定額、収入、家族構成、転居先の条件によって適した方法は変わります。任意売却については住宅ローン滞納・任意売却のご案内もご確認ください。
解決までの流れ|希望を否定せず、数字で選択肢を整理
- 住宅ローンと通知の確認
借入先、残債、滞納状況、届いている通知の種類を整理しました。 - 不動産の査定
戸建ての見込み売却額を確認し、オーバーローンとなる可能性を把握しました。 - リースバック条件の検討
買取価格、想定家賃、契約条件を確認し、長期的に支払いを続けられるかを比較しました。 - 任意売却との比較
住み続けることだけでなく、売却後に残る負担と生活再建まで含めて検討しました。 - 弁護士との連携
お客様は弁護士とのやり取りにも不安があったため、状況を整理したうえで弁護士をご紹介しました。 - 任意売却を選択
比較の結果、リースバックに固執するより任意売却を選ぶ方がよいと判断され、手続きを進めました。
結果として任意売却が成立し、競売を回避できました。解決までの期間は7か月です。なお、同じ方法や期間、結果を保証するものではありません。債権者、物件、家計の状況により進め方は異なります。
元となったお客様の声は住宅ローン滞納・任意売却の解決事例でご覧いただけます。
この事例から分かる3つのポイント
1.最初の希望と最終的な解決方法は違ってもよい
「リースバックで住み続けたい」というご希望から相談を始めても構いません。条件を確認した結果、任意売却や通常売却、住み替えが適していると分かることもあります。相談時点で方法を一つに決めておく必要はありません。
2.ペットとの暮らしも生活再建の一部
転居費だけでなく、大型犬を受け入れられる物件の有無、通勤や通学、家族の支援なども重要です。不動産の処分だけで終わらせず、売却後にどこでどう暮らすかを同時に考えます。
3.法律面の不安は専門家につなぐ
債務整理など法律判断が必要な場合は、弁護士への相談が必要です。不動産あんしん相談室では、不動産の状況やご希望を整理し、必要に応じて弁護士などの専門家との連携を検討します。
競売が気になるときに確認したい書類
- 住宅ローンの返済予定表・残高証明書
- 金融機関や保証会社から届いた督促状・通知
- 裁判所から届いた書類
- 固定資産税の納税通知書
- 不動産の登記事項証明書
- 毎月の収入と生活費が分かる資料
すべて揃っていなくても相談できます。通知が届いている場合は、封筒を含めて保管し、日付と差出人を確認してください。競売開始後の流れについては競売開始決定後にできることも参考になります。
よくあるご質問
大型犬がいてもリースバックできますか?
ペット飼育の可否は買主や賃貸借契約の条件によります。現在飼っているから自動的に継続できるとは限りません。犬種や頭数を事前に伝え、契約書に飼育条件が明記されるかを確認しましょう。
オーバーローンでもリースバックできますか?
残債、買取価格、自己資金、債権者の判断などにより異なります。売却代金で住宅ローンを完済できない場合は抵当権を外すための調整が必要になるため、任意売却を含む別の選択肢も比較します。
任意売却なら競売を止められますか?
競売の進行状況や債権者の同意によって異なり、必ず回避できるとは限りません。時間が経つほど販売や交渉に使える期間が短くなるため、通知の内容が分からない段階でも早めに状況を確認することが大切です。
弁護士に相談していても不動産の相談はできますか?
はい。すでに弁護士へ相談している場合は、その旨をお知らせください。法律判断は弁護士が行い、不動産の査定や売却実務は不動産会社が担当するなど、役割を分けて連携できる場合があります。
まだ売却を決めていなくても相談できますか?
相談できます。リースバック、任意売却、住み替えの条件を比較し、家計やペットとの暮らしに合う方法を整理することから始められます。査定を受けたからといって売却を決める必要はありません。
まとめ|住み続ける希望と生活再建を一緒に考える
大型犬との暮らしを守りたいという理由でリースバックを希望することは、決して特別なことではありません。ただし、オーバーローンや家賃負担がある場合は、住み続けることだけに目を向けると将来の生活が苦しくなることがあります。
大切なのは、リースバック、任意売却、住み替えを同じ条件で比較し、住宅ローンだけでなく、転居先、ペット、家計、専門家との連携まで含めて考えることです。方法が決まっていない段階でも、まず現在地を整理すれば次の一歩が見えやすくなります。
不動産のお悩みは無料相談をご利用ください
「大型犬がいるので転居先が心配」「リースバックが可能か知りたい」「競売の通知が届いたが、何から確認すればよいか分からない」という段階でも構いません。
不動産あんしん相談室が、状況とご希望を丁寧に伺い、選択肢を一緒に整理します。










