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親族法に関する用語集|任意売却で使われる難しい言葉をわかりやすく解説

準正

準正とは、民法789条により定められたもので非嫡出子(婚外子)が嫡出子の身分を取得できることである。嫡出でない子の父と母が結婚することにより取得が可能となる婚姻準正と、婚姻中の父が嫡出ではない子を認知することにより取得が可能となる認知準正の2つがある。この要件は国籍の取得にも関わっており、日本人男性と外国人女性を親とする子どもは、母が法的に婚姻をおこなっていなければ父の子として認められず国籍の取得ができないが、法的な婚姻をおこなえば国籍の取得が可能となるものである。

直系尊属

直系尊属とは、直通している系統の親族のことを指したものである。ただし、父母・祖父母等の自分よりも前の世代のことのみを指しているため、直系尊属には子どもや孫等の自分よりも未来の世代のものたちは含まれていないため注意が必要である。また、養父母等もこれに含まれる対象となっている。ただし、叔父や叔母、さらに配偶者の父母、祖父母は直系尊属には含まれていない。直系卑属の逆の意味にあたる。

直系卑属

直系卑属とは、子や孫等自分より後となる世代を指しているもののことである。簡単にいいなおすと直系卑属というものはつまり、自分よりも下にあたる直通している系統の親族を指している意味ということになる。さらに、養子もこれに含まれる対象となっていることに気をつけておかなければならない。ただし、直系卑属には兄弟や姉妹、さらに甥、姪、子の配偶者はこれには含めてはならないため注意が必要となる。直系尊属の逆の意味にあたる。

認知請求権

認知請求権とは、子やその直系卑属にあたるものが、血縁上、父とされる人間に対して、自分の子であることを認知するように求める権利のことである。この認知請求権は、金銭等を使った交渉等のいかなる交渉においても放棄させることは不可能となっている。また、例として、実父が認知をしてくれない場合であっても、調停や裁判等を起こすことで、強制的に認知をさせることが可能となっているので、父子関係に争いがある場合はこれもひとつの手といえるだろう。

扶養義務

扶養義務とは、独立して自らの力で生活することがまだ不可能なものに対して、経済的な支援をおこなわなければならないという義務のことである。扶養義務を負わなければならないものは民法により規定されている。扶養義務を負うものは、原則として直系血族と兄弟姉妹である。さらに、特別な事情があった場合においては三親等内の親族も扶養義務の対象とされる場合がある。もっとも、援助をどの程度求めることができるかについては、扶養される対象であるものと扶養義務者の収入等を考慮に入れ、個別に具体的な判断が必要になる。

嫡出推定

嫡出推定とは、婚姻中である妻が出産した子どもを、一定の要件下のもとで嫡出子と推定しておくことである。民法上で2つ規定されており、ひとつは婚姻中に懐胎した子を夫の子どもであるものとして推定することであり、もうひとつは、婚姻が成立した日から200日後、または婚姻の解消や婚姻の取り消しをおこなった日から300日以内に生まれた子どもを婚姻中に懐胎したものとして推定をおこなうとなっている。該当する日にち生まれた子どもは必摘出子として推定する必要がある。

身上監護権

身上監護権とは、未成年の子どもに対して親権者が、身体的、または精神的な成長を図るために監護・教育をおこなうという権利のことである。民法の規定では、(1)子どもの居所をきちんと定めておくこと、(2)懲戒すること、(3)職業を営むことが許可されるといった権利が規定されている。また、未成年後見人も、被後見人である未成年者である子どもに対しては親権者とまったく同じ身上監護権を持つことが可能となっている。

分籍届

分籍届とは、20才以上の成人したものが希望すれば、新しい戸籍の作成ができる制度のことである。主に2つのケースがあり、1つは婚姻した場合に新しい戸籍を作ることで、婚姻届に新しい本籍地を記入、提出するだけで新しい戸籍を作ることができる。2つめは、満20才以上で本人が希望することで分籍の届出し、親族とは別の戸籍を作る場合である。分籍は日本国内であればどこにできるが一度分籍すると、元の戸籍に戻れないため注意が必要である。

復氏届

復氏届とは、配偶者の死後に旧姓に戻る場合に提出をおこなう届出のことである。婚姻をおこない配偶者の姓を名乗っていた者は、配偶者の死後復氏届を提出することで、旧姓に戻ることが可能となっている。提出をすることにより、亡くなった配偶者の戸籍から抜けだし、結婚前の戸籍に戻ることとなる。ただし、配偶者が死亡したときに、婚姻中の姓のままにしておくか旧姓に戻るかの選択は本人の意思で自由に決めることが可能となっている。

在留資格

在留資格とは、外国人である者が日本の会社で働いたり、日本の学校へ通う等の生活をおこなうために必要となる入管法上の法的資格のことである。この資格を取得していない場合は、日本に滞在し活動をすることはできない。技術、企業内転勤、興行等の就労が可能となるものから、留学、家庭滞在等の就労が不可能なもの、日本人の配偶者等定住者といった活動に制限がないもの、27種類が存在している。ただし、持てる在留資格はひとつのみである。

母子家庭自立支援給付金

母子家庭自立支援給付金とは、母子家庭である母親の経済的な自立を支援するために設けられたもので、厚生労働省が自治体と協力して就業支援に取り組んでいるものである。母子家庭の母親は、就業経験が乏しい場合が多いこと等から、家庭の生計を支えるために必要な収入を得ることが困難な状況におかれているケースがかなり見受けられるため、「母子家庭自立支援給付金事業」が各都道府県、市、福祉事務所設置町村で実施している。

懲戒権

懲戒権とは、子どもの親権者あるいは、その後見人が、監護、教育をおこなうための手段として、子どもに対してこらしめをおこなうことが可能としている権利のことをいう。ただし、度が過ぎてしまった場合は親権濫用とみなされてしまうことがあり、これがみなされた場合のみ親権喪失等の法的措置の対象となってしまうため、こらしめをおこなう際は十分な注意と、子どもに対する配慮をおこなうことを忘れず、監護、教育のためであることを徹底する必要がある。

法定離婚原因

法定離婚原因とは、離婚をおこないたいのに相手がそれに応じない、または離婚を切り出されたけど離婚したくない場合において、裁判所のほうに離婚の可否を判断してもらう際に必要な原因のことである。離婚を成立させるには主に、配偶者の不貞行為があった場合、配偶者から悪意で遺棄された場合、配偶者が強度の精神病を疾患し回復が見込めない場合、配偶者が3年以上生死不明となっている場合、その他婚姻を継続できない重大な事由がある場合等が挙げられる。

養育費

養育費とは、子どもを監護、教育するために必要となる費用のことをいう。基本的には、経済的または、社会的に自立していない子どもが自立するまで要する費用のことで、主に教育費、衣食住に必要な経費、医療費等を指す。また、未成熟の子どもへの養育費の扶養義務は、親の生活に余裕がない場合でも、自分と同じ生活を保障しなければならないという強い生活保持義務とされているため、たとえ自己破産しようとも子どもの養育費の負担義務は消えない。

財産分与

財産分与とは、離婚の際に結婚生活中に形成した夫婦の共同財産を清算して分配することである。財産は多くの場合、夫名義とされていることが多く見受けられるが、財産が実質、妻の協力により維持、形成されたものにおいては、貢献の割り合いに応じて清算されるのが一般的となっている。また、財産分与は当事者双方の事情を考慮しおこなわれるため、婚姻以前から所有していた財産、または相続取得した財産の場合も、一方の所有する財産も支払能力として換算される場合がある。

内縁

内縁とは、婚姻の届出をしていない夫婦が婚姻の意思を持って共同生活を営んでいることを指す。同義語として「事実婚」があるが、婚姻に対する考え方や価値観が異なるとして区別されて用いられることが多い。婚姻の意思を持たず共同生活している場合には、「同棲」もしくは「同居」となる。また、内縁には「重婚的内縁」というものがあり、法律上で配偶者のある者が他の者と内縁関係にある場合のことをいう。

事実婚

事実婚とは、婚姻届を出さないで事実上の夫婦生活を営む結婚の形態である。法律上では「内縁」と同義であるが、婚姻に対する考え方や価値観が異なるとして区別されることが多い。婚姻届を出さないことを「積極的に」選んだことを全面に出すために作られた言葉だといわれている。昨今では、夫婦別姓を貫くためや、職場の人に結婚している事実を知られたくない等の理由で事実婚を選ぶ夫婦が多い。

待婚期間

待婚期間とは、前婚の解消、あるいは取り消しをおこなった女性が、それをおこなった日以後から一定の期間の間、再婚をすることを禁止する期間のことである。これは再婚禁止期間といわれることもある。民法上では、前婚の解消、または取り消しをおこなった日から6ヶ月間は再婚することができないと定めている。この期間が設けられた趣旨としては、生まれた子どもの父親が、前夫のものか後夫のものであるかについての紛争が起きることを未然に防ぐためである。

夫婦財産契約登記

夫婦財産契約登記とは、夫婦が婚姻届の届出をおこなう前に、婚姻費用の分担、夫婦の財産の帰属ないし管理の方法等について夫婦財産契約という契約を結んだ場合においてのみなされる登記のことである。この登記をおこなわない限り、夫婦は契約内容を第三者に対抗することが不可能となっている。その場合においては、民法755条以下の通常の法定財産制である、「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属すると推定される」等の条文が適用される。

重婚

重婚とは、配偶者をすでにもつ者が重ねて法律上の婚姻をおこなうことである。内縁等の事実上の婚姻を重ねることや妾関係等はこれとは区別される。法律上において重婚とは、婚姻、離婚をめぐる事実上の関係と法的評価が重なりきらないところで発生してしまう問題であり、以下の3つの場合が存在する。1つ目は、日本の民法上、戸籍上の重婚の場合、2つ目は、形骸化した法律婚と内縁が競合する重婚的内縁の場合、3つ目は、外国法上の重婚の場合である。

婚姻届不受理申出制度

結婚したくないときに事前にできる手続きが「婚姻届不受理申出制度」である。例えば、結婚する気はないのに勝手に本人の知らないうちに婚姻届に署名と捺印をされていることがある。このようなゆゆしき事態を防ぐためにあるのが「婚姻届不受理申出制度」なのである。特定の人間(複数の人間も可能である)を指定する場合と、不受理申出書に「不特定」と記入することで、だれが婚姻届を勝手に出そうと一切受理されないようにすることも可能である。

離婚届不受理申出制度

離婚届不受理申出制度を出すことによって相手が勝手に離婚届を出すことを未然に防げる。離婚の話し合いの最中に口論になり感情的に離婚届に署名と捺印をしてしまったが、冷静になってやはり離婚をしたくないという意思に変わった場合、「離婚届不受理申出制度」を使えば、役所は離婚届を受け付けない。市町村役場の戸籍係に離婚届不受理申出制度は常設されており、有効期限は半年間である。その間に双方の意思を確認しあい、合意のもと、どうするかを話し合うべきである。

同棲

同棲とは結婚していない相思相愛の男女が一時的にひとつの家に一緒に住むことである。婚前の恋愛感情が存在しない場合や3人以上で暮らしている場合は「同居」にあたる。また、婚姻の意思を持ち共同生活を営み社会的には夫婦と認められているが、婚姻の届出をしていない場合は「内縁」と呼ぶ。同棲は内縁とは異なり、損害賠償請求権等の法的な保護は薄い。

協議離婚

協議離婚とは夫婦が話し合って離婚をすることである。双方の意思が合意していれば他の要件は不必要である。離婚の9割が協議離婚であり、離婚の一番スタンダードな形式である。協議離婚は離婚の中でもあまりエネルギーを使わなくてすみ、話し合いで解決するためほとんどの夫婦が協議離婚を選択する。協議離婚は離婚届を役所に届け出をするだけの手続きでよい。離婚届の署名は本人がおこなう必要があるが提出をするのは代理人でもよく、郵送での受付でも可能である。子どもがいる場合は親権者を決めてからでなければ離婚届は受理されない。

調停離婚

調停離婚とは家庭裁判所の調停によって成立する離婚のことである。夫婦が話し合って離婚をする協議離婚が成立されない場合に、家庭裁判所へ離婚調停の申し立てをおこなう。調停を申し立ててから、調停離婚が成立しなかった場合に裁判になる。調停では調停委員がそれぞれの主張を聞き取り調査し、双方合意のもとの解決を目指す。離婚合意の成立後に調停調書が作成され離婚が成立する。これは確定判決を同じ効力を持つ。

審判離婚

家庭裁判所の審判によって離婚を成立させるのが審判離婚である。夫婦間は離婚に合意しているが病気等で調停成立時に出頭できない場合や、感情的に離婚に反発しているケース、また財産分与等の項目で調停の内容に合意できない箇所がある場合や、親権の結論を早急に出さなくてはならないとき等に審判離婚がおこなわれる。審判離婚は親権者の決定、慰謝料や養育費等を取り決めることができる。審判離婚の場合は、家庭裁判所に審判確定証明申請書を提出し、所定の書類申請や提出をおこなったうえで手続きを進める。

裁判離婚

裁判離婚は地方裁判所に離婚の訴えを起こして離婚を認める判決を求めるものである。双方の話し合いによって決める協議離婚ができず、家庭裁判所の調停及び審判でも離婚成立ができなかった場合に裁判離婚をおこなう。離婚判決が認められれば、離婚したくないと相手が申し立てても強制的に離婚がおこなわれる。離婚の90%が協議離婚なのに対して、裁判離婚は1%ほどである。配偶者に不貞な行為や、配偶者から悪意で遺棄された場合、失踪等で配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、配偶者が強度の精神病で回復の見込みがない等重大な理由があるときに裁判離婚がおこなわれる。

悪意の遺棄

協議離婚や調停で離婚が認められない場合、裁判所に判断をゆだねる法定離婚になるが、悪意の遺棄はその離婚理由のひとつとして民法上に定められている。悪意の遺棄とは同居、相互協力、相互扶助の義務に反している場合をいう。例えば、配偶者に生活費を渡さずギャンブルに明け暮れる、家出を繰り返す、家庭内暴力、姑との仲が悪く実家に帰ったままで帰ってこない、健康なのに働かない等のケースが挙げられる。夫婦の冷却期間や単身赴任による別居等は悪意の遺棄にはならない。

有責行為

有責行為とは夫婦の離婚原因となった行為のことである。例えば、不倫等の婚姻している者の貞操義務に反する行為や、虐待、悪意の遺棄(相手が賭博行為に明け暮れる、理由もなく自宅に長期間帰らない、健康であるにもかかわらず働かない)等が有責行為にあたる。有責行為、つまり相手の方に責任がある行為で離婚に至り、このことにより精神的苦痛が発生した場合は慰謝料請求が可能である。

婚姻費用

婚姻費用とは夫婦が生活をしていく上で必要な婚姻費用のことである。民法では夫婦はお互い同じレベルでの生活を維持して、資産や収入等の事情を考慮押し婚姻から生ずる費用を分担する義務がある。つまり別居中であっても婚姻関係が継続している場合は相手の生活を同レベルで維持するための金銭的援助が必要である。話し合いで婚姻費用が決められない場合は調停で婚姻費用分担請求の調停の申し立てをおこなうことが必要である。

人身保護請求

相手が子どもを連れ去ってしまった場合や、相手が児童虐待等の行為をおこなう場合は緊急で地方裁判所に人身保護請求を申し立てる。不当な身体拘束から被拘束者を救済するよう、裁判所に申し立てるのが人身保護請求である。人身保護請求はこの引渡し審判や審判前の保全処分が無視された場合におこなうことが多い。人身保護請求の手続きは迅速なのが特徴で審問は請求日から1週間以内に開き、審問の終結から5日以内に判決は言い渡される。

共同監護

共同監護は共同親権とも言い、離婚後も子どもと別居した親が接触する機会を保つことができる権利である。しかし共同親権は日本において法的規定がない。民法では、離婚して子どもがいる場合は夫婦のどちらかに親権を定めなければならないとされている。親権は戸籍に記載されるが監護権は記載されないこともあり、親権者と監護者に関する問題は多い。いずれにせよ、離婚後も子どもが健やかに育つことのできる環境をつくることが親には求められていると言える。

未成年

未成年とはまだ成年に達していない者のことである。日本では満20歳に満たない者が該当する。ただし、例外として満20歳に満たない者でも婚姻することにより成年擬制が適用され、私法上は成年とみなされるが、未成年者飲酒禁止法や、未成年者喫煙禁止法、少年法、公職選挙法等には及ばない。未成年者との契約は、親権者の同意が必要となり、同意を得なかった場合、後日その未成年者または未成年者の親権者は契約を取り消すことができる。ただし、未成年者が詐術を用いて契約をした場合はこの限りでない。

面接交渉

親権がなくても親が子どもに会い交流をすることを面接交渉という。面接交渉は親のためだけではなく子どものためにもなるため、心身の健康にも大切なことであるといえる。両親が離婚していたとしても子どもにとって親は絶対の存在であるが、面接交渉を拒まれることもある。面接交渉権は日本には具体的に定められた条文がないが、理由もなく面会を拒否することは不可能である。しかし、子どもの安全の観点から見て、相手が連れ去りや暴力をおこなう恐れがある場合は面接の拒否を家庭裁判所に調停で申し立てすることができる。

間接強制

間接強制とは養育費債権を強制的に課す裁判所の強制執行のひとつである。間接強制は債務を履行しない義務者に対して一定期間内に債務を履行しない場合は、債務と別で間接強制金を課すことを警告し、義務者に心理的圧迫を与えて自発的に金銭を支払うように促す方法のひとつである。金銭債権を間接強制することはできないが養育費や婚姻費用の分担は間接強制の対象になる。文字通り、直接差押えるわけではなく、自発的に支払いを促すものなので間接強制がおこなわれても義務を果たさない場合は直接強制の手続きをおこなう必要がある。

年金分割制度

年金分割制度とは離婚者を対象とした年金制度のひとつである。婚姻期間中の厚生年金部分の標準報酬及び標準賞与額(算定の基礎となる標準報酬月額のことであり)を当事者間で分割することができる制度である。もちろん、当時の評価率等を現代に算出して標準報酬は出される。年金分割制度は標準報酬の多い方から少ない方に対して一部が分割される。3号(サラリーマンの配偶者等)等が離婚後、基礎年金部分しかもらえないことの救済措置ともいえる。請求期限は離婚をした翌日から2年以内である。

合意分割

合意分割とは離婚した場合における厚生年金の分割制度のことである。婚姻期間中の厚生年金記録に基づき、標準報酬月額・標準賞与額を当事者間で分割できる制度のことである。合意がまとまらない場合は裁判所の力により分配割合を決めることができる。注意しなければならないのは分割部分はあくまでも厚生年金の部分であり、国民年金の基礎部分は分割されない。按分割合が決まると老齢厚生年金等の年金額は、分割後の記録に基づいて再計算される。

3号分割

厚生年金に加入している人の被扶養配偶者のことを第3号被保険者という。第3号被保険者が離婚をした場合に婚姻期間中の標準報酬を改定及び決定する請求することが可能である。離婚分割ではこのときの分割の比率を合意のもとで決めるが、3号分割では2分の1というふうに規定されている。注意しなくてはいけないのは3号分割の対象となる離婚は、平成20年4月1日以降であり、それ以前の期間は分割の期間として考慮されない。また、請求期限は離婚をした翌日から2年以内である。さらに分割される対象は婚姻期間のうち、2008年4月1日以後の当事者の一方が第3号被保険者期間中の、相手方の厚生年金の標準報酬となるので、離婚分割とは大きく違う。

日常の家事

日常の家事とは、食料や生活必需品の購入、医療費、教育費、家賃等、家族が日常生活を営む上で通常必要とされる事項のことを指す。日常の家事に関する費用を負担する債務のことを「日常家事債務」と呼び、夫婦の一方が日常家事債務を負担した場合、債務者とされていない他の一方も連帯して債務を負わなければならない。なお、日常家事債務は、夫婦の社会的地位・収入等の内部的な事情や、法律行為の種類・性質等、客観的要素も考慮され判断される。

婚氏続称届

離婚をした際に、苗字を旧姓に戻すことが多いが、お子様が学校に通う上で苗字を変更したくないということや職場や近所の方等に離婚の事実を知られたくないという理由から、婚姻時の姓を離婚後も使うことができる手続き上の届出のこと。離婚後、3ヵ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を市役所に提出する。この届け出に関しては、元夫も含めて誰も異議を申し立てることができない。ただし、将来、旧姓に戻したくなった場合は、家庭裁判所の許可が必要であるので慎重な対応が望まれる。

親子関係不存在の訴え

婚姻中に妻が妊娠した場合、通常は夫の子と推定されるが、その夫の子でないという訴えのこと。例えば、夫婦間の性交がない期間に妻が妊娠した、刑務所に入っている期間に妻が妊娠した等、実子ではないのという条件のもと起こす訴訟手続のこと。「嫡出否認の訴え」に比べて比較的双方の争いが起こりにくいといわれている。「嫡出否認の訴え」は、夫が子どもの出生を知ったときから1年以内に訴えないといけないが、「親子関係不存在の訴え」の出訴期間に制限は特にない。

認知

子どもの母親と婚姻関係にない男性が、子どもとの間に法律上の親子関係を発生させるための手続きのこと。認知することで相続権、養育費の支払い等の扶養義務等が発生する。
認知をするには、「認知届」を子どもの本籍地または住所地の市役所に提出する。
その場合、認知をする父親が未成年であっても、自分で届出をすることができる。婚姻届の提出時のように親の同意は不要である。また、父親の配偶者の同意も不要である。認知届には、任意認知、裁判認知、遺言認知等がある。

養子

実子以外の人物に実子と同じ権利を与えることである。戦前は、その家系を絶やさないことを目的したものが多かったが、戦後は、個人の尊重と愛情に基づく家族関係ということを目的とした制度に変更された。現在の法律上は養子が唯一の法定親子関係である養子には届出によって成立する普通養子のほか、審判(1988年から施行)によって成立する特別養子がある。特別養子は、血が繋がっているという事実自体は当然消えないが、実の親との親子関係が法律上では完全に切られ、養い親とだけの親子関係になる。

養子縁組

血縁関係とは無関係に親子関係を発生させることをいう。法律上、養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組(決定型)の2種類がある。普通養子縁組は、互いの協議によって離縁して関係を解消できるため、契約型とも呼ばれる。特別養子縁組は、実の親子と同様の関係を築くものであり、子のために必要な場合を除き、普通養子縁組のように離縁はできない。また、養子縁組により親子関係ができたそれぞれを養親(ようしん)又は養子(ようし)、女子の場合には養女(ようじょ)、また養子から見て養親の家族を養家(ようか)と呼ぶ。

親等

親族関係の親疎を示す等級のことである。また、親族関係の遠近を表す単位として利用される。まず、親と子を一親等として数えはじめる。兄弟は二親等、叔父・叔母・甥・姪は三親等、いとこは四親等等である。結婚した際の配偶者の親等は、配偶者を基準として数える。つまり、一親等が一番近い関係であり、二親等がその次というように、数字があがるごとに関係が薄くなる。相続時には、この遠近を重視され相続金額が異なることが多い。

戸籍の全部事項証明書

自治体が発行する証明書。戸籍に記載されている全員を証明するものである。電算化(コンピュータ化)したあとの「戸籍謄本」の呼び名のことである。戸籍には、日本国民であることの身分関係を公に証明する公簿のことで、個人の氏名、出生情報、親子関係、親族関係、養親子関係、婚姻・、死亡等の情報が記録されている。電算化後の戸籍には、それまでに結婚や死亡等で除籍になったものは記載されないので注意が必要である。これらの除籍記載事項証明が必要な場合、別途申請が必要である。

外国人登録

日本に在留する外国人が届出をして登録する制度。2012年7月に廃止された。それまでは、日本に在留することが決まった時点から、在日米軍将兵や外交官等の一部例外を除き、一定の期間内に、居住している市区町村に身分事項や住所等を届ける必要があり、外国人登録が正式におこなえたら、自治体から外国人登録証明書が交付される。この外国人登録証明書を携帯していれば、パスポートの携帯義務が免除されていた。現在は、新しい在留管理制度の導入がおこなわれている。

補助

軽度の精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害等)により、判断能力が不十分な者を対象として、家庭裁判所の審判によって、家庭裁判所が「補助人」を選任する制度。2000年の成年後見制度改正により創設された。補助制度を利用することで、本人の意思を尊重しながら、特定の法律行為について、補助人に同意権・取消権や代理権を与えることができる。当然ながら、本人の同意が必要となる。また、日常生活に必要な行為(例えばティッシュペーパー等の日用品を購入する等)については、本人が単独でおこなうことができる。

補佐(人)・保佐(人)

精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害等)により、判断能力)が著しく不十分な者を保護・支援するための制度のことである。民事訴訟法上、裁判所の許可を得ることで、当事者・訴訟代理人等に付き添い、出頭し陳述することができる。そのほかにも、不動産売買等、法律上で定められた一定の内容に関して補佐人(保佐人)の同意が必要となる。
日用品の購入に関しては、補佐人(保佐人)の同意は不要で本人の意思でおこなうことができる。

永住者

法務大臣が永住を認める者。一般永住者と特別永住者の2つがある。「一般永住者」は、素行が善良であることや、独立できる資産又は技能を持っていること等、そのものが日本の国益になると法務大臣が判断し、10年以上継続して日本に在留していることを前提に、日本に永住している外国のことをいう。また、「特別永住者」は、1991年11月1日に施行された日本の法律「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」により定められた在留の資格をもつ、永住者のことである。特別永住者は在留資格に制限がなく、母国はもちろんのこと、日本での経済活動も全く自由である。

職業許可権

民法で定められている、親権によって保護されている財産監護権のひとつである。未成年者の子が、職業を営むことを許可することである。逆にいえば、「未成年の子は親権をおこなう者の許可を得なければ、職業を営むことができない。」ということである。一度、許可をしても未成年者にふさわしくない等の理由により、親権者は許可の取り消しや業務内容の制限をおこなうことで未成年を守ることができる。また、未成年後見人も職業許可権を有する。

親権剥奪

親権喪失の原因のひとつで、父または母に親権の濫用や著しい不行跡があるときに親権者として相応しくないと判断家庭裁判所が判断し、親権の全部、もしくは一部を奪うことである。最近では、親権を濫用し、暴力や食事を与えない等の放置等による児童虐待があとをたたないため、2012年4月には、児童虐待から子どもを守るために、親権を制限できる「親権停止」の制度が創設された。この制度は最長2年間親権を停止することができる。

未成熟子

成人年齢に達している・いないに関係なく、扶養の必要性が認められている子のことをいう。判断基準としては、「経済的に自立している」、「社会的に自立している」等子ども自身が自立しているかどうかがポイントである。未成熟子に対して、親権・監護権を得ることで、離婚時の養育費の請求金額が大きく変わることがある。親権・監護権がある片方はもう一方に対して、未成年を養育すると同様の養育費等の請求が可能である。

居所指定権

他人が住む場所を指定する権利。日本では、民法で保護されている親権者がもつ親権のひとつとして、「子は親権をおこなう者が指定した場所に、その居所を定めなければならない」と定められており、親権者又もしくは、後見人が子どもの住む所を指定する権利のみが認められている。この居所指定権は、子どもの監護教育をするために認められる権利であり、その目的達成以外に行使された場合は、親権の濫用になる。親権の中での身上監護権に含まれる。

財産管理委任契約

身体が不自由である等の自分自身で財産を管理することが難しい場合等、自分の財産の管理や生活する上で必要な事務業務の全部または一部について、代理権を他人に与え、財産の管理方法を決めて委任することである。
任意代理契約とも呼ばれ、民法上の委任契約の規定に基づく。財産管理委任契約は、当事者間の合意のみで効力が生じ、内容も自由に定めることができるが、受任者が、権限を濫用する危険性もあり、慎重に選任する必要がある。

親族相盗例

常識的には人の物を盗む行為は窃盗罪が成立するが、家庭内で子どもが母親の財布からお金を抜き取った場合、子どもを逮捕することはあまり良いやり方ではないため、親の財産を侵害する罪、ここでは母親の財布からお金を抜き取った行為に関しては、法律で判断せずに家庭内の話し合いで処理した方が子どもの未来に良い場合もある。このようなときは刑を免除するか、親族等の被害者の告訴又は告発の請求がなければ刑事訴訟を起こせない「親告罪として処理する」方法があり、これを親族相盗例という。

帰化申請

日本に住んでいる外国籍の者が日本国籍を取得する許可を申請することをいう。現在住んでいる住所を管轄する法務局に対して申請をおこなう。20~30種類の書類の用意が必要である。申請書類が揃っていても、必ず許可されるものではなく、前もって申請をおこなおうとする方は法務局又は地方法務局に相談するほうがよい。まずは、帰化の申請を検討する前に、自身が帰化の条件を満たしているかどうかを確認しておく必要がある。当然のことながら、帰化条件をすべて満たさないと許可されない。許可が下りると元の国籍を失い、代わりに日本国籍が与えられ、それ以後は日本人として、日本の社会制度が利用できる。

姻族関係終了届

一般的に結婚すると配偶者の父母や兄弟姉妹等親族間に、法律上の姻族と呼ばれる関係ができるが、配偶者が死亡した場合に生存配偶者が、死亡した配偶者の姻族との関係を終了させる届けを「姻族関係終了届」という。この姻族とは、配偶者の血族のことで、たとえ、血の繋がりが無くても婚姻によって、親戚となるわけだが、この関係を法律上、なかった事にすることができる。配偶者が亡くなった場合は、姻族関係はそのまま継続されるが、離婚の場合は姻族の関係は自動的に消滅する。尚、配偶者が遺産を相続した場合でも返却する必要はなく、遺産をそのまま受け取ることができる。

児童委員

児童福祉司や社会福祉主事の職務に協力して、児童および妊産婦の保護・保健等に関する援助や指導をおこなう人のこと。市町村に置かれ民生委員がこの職を兼務する(児童福祉法)。児童虐待の無い社会をつくるために、子どもたちが安心して元気に暮らせる様に見守り、子育ての不安や妊娠中の心配事等の相談や支援をおこなう。一部の児童委員は児童虐待等の問題が生じたときに専門的に関わる「主任児童委員」として市町村から指名を受けており、地域の住民や関係機関との信頼関係を築くことを目的に、さまざまな広報活動や情報収集活動等を展開している。

死後離縁

養子縁組の当事者の一方が死亡し、他の一方の存命している方が死亡した当事者と養子縁組を解消しようとすることをいう。?離縁をするには、家庭裁判所の許可審判の確定が必要である。審判が確定した後に審判書謄本と確定証明書を申立書に添付して、市区町村の役所に届出をおこなう。住所地の役所で届出をする場合は、戸籍謄本等の提出を求められることがあるため、詳しくは届出をする役所に問い合わせるとよい。また、すでに生じている、相続における相続人の権利は、死後離縁によって消滅することはない。



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