みなさんこんにちは、不動産コンサルタントの神田です。
中古の木造住宅を購入する場合、このような不安はありませんか?
「この物件を購入したらまずどこをメンテナンスすべきなんだろう」
「メンテナンス費用ってどれくらい必要なんだろう」
ホームインスペクション済みであれば安心ですが、そうでない場合はご自身で物件の状態を把握しておく必要があります。
今回は、中古の木造住宅を購入する場合にチェックしてほしいポイントと購入後のメンテナンス費用について解説していきますね!
メンテナンスすべき3大箇所
戸建て木造住宅のメンテナンスで、要チェックしなければいけないポイントはこの3つ。
- 屋根
- 外壁
- バルコニー防水
なぜなら、これらの劣化は雨漏りの原因になるからです。
雨漏りをすると部材が腐ってしまうだけでなく、シロアリ被害をもたらし、結果的に建物の構造面で生じることになります。
日常的に目視で確認することが大切
屋根のチェック方法
基本的には地上から目視で、ズレや変色がないかチェックしましょう。
雨どいも破損があると、建物に悪影響を及ぼすため注意が必要です。
1階の屋根であれば2階からも確認することができるので、雨どいに落ち葉がつまっていないかなども見ておきましょう。
外壁のチェック方法
外壁は紫外線によって塗装が劣化していきます。
よって、塗装面を触って指に白い粉がついたら要注意!
これは「チョーキング現象」と呼ばれるもので、劣化が進行し、防水効果がきれたサインなので塗り替えをおこないましょう。
またサイディング壁を使用している場合は、外壁材のチェックだけでなく、目地部分の弾力があるかも確認してください。
目地とは、外壁材と外壁材の間のこと。
そのままでは空洞になるため、ゴムの性質をもつ樹脂を注入し保護しています。
この目地が硬化していたり、細かい亀裂が入っていたりするとシーリングを打ち直す時期です。
バルコニー防水のチェック方法
バルコニー防水は、少しでも傷が生じたら補修が必要です。
物置や植木鉢を置くことも多く、それを引きずることが防水層を傷つける原因となってしまうため、日常的に注意しましょう。
メンテナンス費用の目安
それではこの3大部位にかかるメンテナンス費用は、いくら準備しておけばいいのでしょうか。
今回は下記の条件を参考に、30年目までの目安を計算してみました。
(例)よくあるケース
- 延べ面積145㎡
- 2階建て
- スレート屋根
- サイディング壁
30年間でかかるメンテナンス費用は平均目安880万円
総額 | 内訳 | |
10年目 | 165〜230万円 | 屋根、外壁、シーリング、バルコニー、足場 |
20年目 | 195〜270万円 | 屋根、雨どい交換、外壁、シーリング、バルコニー、足場 |
30年目 | 365〜550万円 | 屋根、外壁、シーリング、バルコニー、足場 |
毎月2万円を目安に積立しよう
上記を参考に、10年目で200万円・20年目で240万円かかるとしましょう。
その場合、毎年22万円・月割りすると2万円/月のメンテナンス費用を積立しておく必要があります。
ただし、キッチンなどその他の住宅装備も交換するのであれば、さらに費用は膨らみますので、余裕を持ったメンテナンス費用の積立をおすすめします。
足場費用は別途必要!まとめてのメンテナンスがお得
足場代は作業毎に別途20〜25万円程度必要となりますので、メンテナンスはまとめて行うことをおすすめします。
部位別メンテナンス費用の内訳
屋根のメンテナンス費用
10年目 | 表面塗装 | 40〜50万円 |
20年目 | 表面塗装・雨どい交換 | 70〜90万円 |
30年目 | 屋根交換 | 100〜150万円 |
外壁のメンテナンス費用
10年目 | 表面塗装・目地シーリング打ち替え | 90〜120万円 |
20年目 | 表面塗装・目地シーリング打ち替え | 90〜120万円 |
30年目 | 張り替え・目地シーリング打ち替え | 230〜340万円 |
バルコニー防水のメンテナンス費用
10年目 | 塗り替え | 15〜35万円 |
20年目 | 塗り替え | 15〜35万円 |
30年目 | 塗り替え | 15〜35万円 |
築30年を迎えたら売却も視野に入れよう
上記の表を見てもわかる通り、屋根交換などを行うと30年目のメンテナンス費用はかなり大きな額になります。
そこで40年目に向けて維持していくのか、もしくは建て替え・住み替えをするのかを考える大きなターニングポイントになると言えるでしょう。
劣化がひどくなるにつれて売却もしにくくなりますので、このタイミングで1度自宅の価値を査定し、今後の身の振り方を考えることをおすすめします。
【まとめ】日常の目視と月2万円の積立
この記事で日常的に確認すべき箇所とメンテナンス費用の目安が把握できたかと思います。
新築物件よりも安く購入できた分、メンテナンス費用にまわせる額も大きいかと思いますので、賢く自宅を維持管理していきましょう!