不動産投資家が悩むことの1つに、「出口」の見定めがあります。「出口」とは、要は収益物件を売るとき。この時期を見定めることを、投資の「出口戦略」といいます。
出口戦略を考えるときには、〝2つの壁〟の存在が。
- いつ売ればいいのかわからない
- 売りたくても売れない
今回は、不動産投資家のお悩みを多く解決してきた不動産あんしん相談室®︎が、この〝2つの壁〟を乗り越える方法を解説いたします。
不動産投資の出口戦略とは?
不動産投資の「出口」とは、投資物件を売却することをいいます。
不動産投資は、家賃などの“インカムゲイン”と、売却益である“キャピタルゲイン”から収益を上げるもの。
“キャピタルゲイン”は売却方法や売却時期よって変動するものですから、戦略をしっかり立てて売り時を考えなければなりません。これを不動産投資の「出口戦略」といいます。
キャピタルゲインを確保してこそ不動産投資は成功する
いくら収益性が高い物件でも、出口戦略を誤ればその投資は失敗に終わってしまいます。不動産投資家では、「利回り」が投資物件の選定基準の大部分を占めています。
でもだからといってキャピタルゲインを考えなくていいわけではなく、「損しない」売り時を見極めることが非常に大切になってきます。
不動産など経年劣化するものは時間が経つにつれて価値を落としていくのが基本ですから、不動産投資における「出口」の見極め方は非常に難しいもの。当然ながら、相対的に見て「儲け」が出るときを「出口」としなければなりません。
「出口」の考え時①所有期間が5年を超えたとき
投資用不動産の所有期間が5年を超えたときには、一度「出口」について考えてみるべきです。
というのも「所有期間5年超」というのは、売却益にかかる税金が安くなる起点となるとき。不動産は、売却時の所有期間によって譲渡所得税(売却益にかかる所得税や住民税)に以下のような大きな違いがあります。
ご覧の通り、所有期間が5年を超えると、課税される税率が1/2ほどになります。そのため、インカムゲイン、キャピタルゲインを相対的にみたときの投資の「成功率」が上がる可能性が高くなるんですね。
「出口」の考え時②利回りが落ち始めたとき
当然のことですが、不動産は買主が現れない限り売ることはできません。
そのため利回りが高いほど、高く、早く、売れるものです。まだ収益が確保できる物件でも、利回りが下降に転じ始めたときがキャピタルゲインも狙える売り時との見方ができます。
不動産投資では、好条件で売れるときを逃さないことも大切。これは継続的な収入を捨てるのではなく、あくまで相対的な収益の最大化を図るためのものなのです。
投資用不動産が売れないときの対策
投資用不動産の出口戦略を考えることは、投資の「成功」のためにとても重要です。でも実は、近年、投資用物件が売りにくくなっていることをご存じですか?
投資用不動産売却の難易度は高まっている
投資物件が売りにくくなっている原因の1つに、昨今の不動産業界の不正発覚があげられます。「スルガ問題」「TATERU問題」など、不動産の不正融資問題がメディアを騒がせていることはご存じの方も多いことでしょう。実は、この不正融資問題は、不動産投資する全ての人に関わる重大なことなのです。
問題になるのは、不正融資が次々に発覚したことにより、各金融機関が主に投資物件への融資に慎重になっていること。つまり、投資家はローンを借り入れにくくなっているということなんですね。そのため、投資物件を買いたい人は買いにくい、売りたい人は売りにくいという現象が起こっているのです。
投資物件が売れないときに考える「買取」という選択肢
投資物件が売りにくい理由の1つは、融資がおりにくくなっていることでしたね。しかしこの点は、融資を受けない法人に売ることができれば解消できます。
具体的に言えば、不動産業者に直接買い取ってもらうことで、融資の問題がクリアできるということです。さらに投資物件を買い取っている業者に売るメリットは、次の通りです。
- 早く売れる
- より確実に売れる
- 仲介手数料不要
- 販売活動不要
- 現状のまま売却可能
当相談室でも収益物件の買取を積極的におこなっていますが、買取にかかる時間は早くて数週間。
出口戦略として「この時に売る!」と決めたとしても、結果として売れなければせっかくの戦略も意味を成しません。収益物件が売りにくい時代だからこそ、買取のメリットである「確実性」の価値は上がっています。
まとめ
不動産投資家は、出口戦略を常に考えるべきです。不動産投資も株などと同様、「まだこれから稼げるはず!」と所有にこだわり過ぎると、売り時を逃し、最終的には「売れない」「稼げない」物件を持て余すことにもなりかねません。
とくに最近多いのは、収益物件を相続するケース。相続がきっかけでマンション経営などを初めると、経営自体が負担になることもあるでしょう。収益物件の売却は「出口」であるとともに、負担からの「解放」でもあります。売り時がわからないという方も、ぜひ不動産あんしん相談室®︎にご相談ください。