みなさんこんにちは、不動産コンサルタントの神田(@eco2009_earth)です。
賃貸で借りていた自宅を退去する際、修繕部分が少ないと敷金が返金されるケースがあることはご存知でしょうか?
しかし、なかには綺麗に使用していたにも関わらず「敷金の返金がない」また「追加料金が発生した」というトラブルも。
実はこれ、敷金鑑定士になる前の私がかつて敷金問題で家主とトラブルになった経験なのです。
今回は実際にわたしが体験した、家主との敷金トラブルについてお伝えします。
高い見積もりを出す業者がある
修繕箇所が少なれけば敷金は返ってくる。
その知識があったわたしは、家主側の担当者に尋ねました。
「今度退去するのですが、お部屋はきれいに使っているので、敷金が返ってくることもあるんですよね。あと修繕費用が発生した場合は敷金から差し引かれるんですよね」と。
すると担当者の返答は
「どちらにしても退去立会いが終わってからですね。今の時点では何とも言えません。」
「たとえ高い見積もりが出たとしても最初はそんなものですから。」とのこと。
ここでまず私は驚きました。
それは最初から正当な金額で見積もるわけではなく、通常より高く見積もるつもりだったということです。
そのとき、家主側の適当かつ無神経な対応に不信感を持ちました。
敷金返還どころか追加料金まで発生するという見積もり
どんな立会いになるのかと、不安な気持ちのまま退去立会日を迎えました。
実際現場に来たのは家主ではなく、家主から依頼されたリフォーム業者でした。
そのリフォーム業者はちょっとした汚れや傷など細かくチェックし、修繕費用を算出してきました。
内容は、クロスやフローリングの張替え及びハウスクリーニング、鍵の交換費用も含んだ22万5000円とのこと。
敷金20万円・家賃6万5000円の契約を交わしていた私にとって返還される敷金はなく、追加料金が発生する計算です。
リフォーム業者は仕訳のみ。対応はしてくれない
私は愕然とし、リフォーム業者に訴えました。
「きれいに使用していたにも関わらず、この修繕費用はあまりにも高いと思います。それにハウスクリーニングや鍵の交換は家主負担ではないのですか。納得できませんので立会い確認書にはサインをしません。」
するとリフォーム業者の答えは
「私はあくまでも家主からリフォームを依頼されているだけであり、その質問にはお答えできません。家主様にその旨はお伝えします。」とのこと。
結局、“見積もり金額には納得できません。”と一筆付け加えてサインをさせられました。
家主からの連絡がなく、ますます不信感に
そもそも私は今までお世話になっていた家主なので、少々の費用であれば敷金から相殺されてもいいと考えていました。
それなのに、このように無謀な金額を請求され更に追加金額が発生するなんて、あまりにも消費者の立場を無視した家主側の対応に、腹立たしい気持ちを抑えられずにはいられませんでした。
立会いが終わった後、家主からの電話は一向にかかってきません。
2週間たっても何の音沙汰もない家主に対し、不信感は倍増しました。
このまま待っていても進展がないと思ったので、私は自分から家主側の担当者に電話をすることにしました。
再計算してもらった金額にも納得できない
すると「敷金から修繕費を差し引いた精算書を送りますよ。」とやはり横柄な対応。
後日、私の手元に届いた精算書の内容は「請求額15万5000円」「返金額4万5000円」というものでした。
立会い当初の見積もり金額よりは減額されていましたが、それでもこの金額には全く納得できません。
それよりも“立会時の見積もりは一体何だったのか!!”と本当に腹が立ちました。
家主側の横柄な対応に気を悪くしていたこともあり、私は対抗する意を決めました。
このような適当な不当請求にまんまと騙されるのは本当に悔しいと思ったのです。
家主側と対抗し適切な敷金返還を要求
それからは自力で敷金や保証金、敷引き、借地借家法、消費者契約法、国土交通省のガイドラインについて勉強しました。
さらに、法律の専門家にも相談しました。
そこで分かったのは「やはり自分の主張は間違っていない。敷金は借主に返還されるものであり、むしろ当初の契約自体が消費者契約法に違反し無効である」ということです。
それから間もなくして、私は家主に対し内容証明を送付し、小額訴訟を起こしました。
そして訴訟から1週間後、私の主張通りの敷金が返還されたのです。
敷金トラブルでお困りの方はご一報ください
この一件で学んだことは
「中には退去時に不当に多くの修繕費用を請求している家主もいること」
「元の契約自体が借地借家法・消費者契約法に違反している可能性があること」です。
今、このような問題でお困りの方へ、敷金鑑定士として正当な鑑定であなたの主張をサポートするお手伝いをしています。
このまま家主の思うままに敷金を相殺されてもいいのでしょうか。
家主は内心敷金返還を主張されたらどうしようと心配しているのでないでしょうか。
何故なら自分が高額な費用を請求しているのを認識しているからです。
敷金・保証金を正当に返還してほしい方、家主の横柄な対応に不満をお持ちの方、ぜひ一度ご相談ください!
解決事例①
平成18年3月に家賃9万5000円、敷金35万円の賃貸借契約を締結。
解約が平成20年3月と約2年間という短期にもかかわらず、退去時に敷引以外にクロスやフローリングの張替えハウスクリーニング等、約20万円の修繕費用を請求されたケース。
→Aさんの過失で修繕義務があるのはフローリングの一部分だけであると認められ、預けた敷金35万円のうち33万5000円が返金されました。
解決事例②
平成19年10月に家賃7万円、敷金40万円礼金30万円の賃貸借契約を締結。
平成20年10月に解約を通知し、退去立会にて返還金額はないと判断されたケース。
→消費者契約法または借地借家法に反することにより、もともとの契約自体が無効であると判断され、敷金の全額40万円が返金されました。