不動産があるときの債務整理はどうすればいい？弁護士の支援や助言が必要な理由とその役割

不動産を所有している人の債務整理では、不動産の処分が伴うことも少なくありません。一方、自宅を残しながら債務整理することも可能です。

適切な選択をするには弁護士のサポートが不可欠ですが、不動産が関わってくる場合はなおのことといえるでしょう。そこで本記事では、債務整理が絡む不動産問題において弁護士が必要な理由や弁護士の役割について解説します。

債務整理が絡む不動産問題とは？

一口に「債務整理」といっても、手続きの内容は1つではありません。また、債務整理を要する不動産の問題も多岐にわたります。

債務整理とは

債務整理とは、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産により、借金を減らしたり支払いを猶予してもらったりする手続きを指します。資金難にある方が、不動産を手放すことは少なくありません。

任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の違いは、次のとおりです。

項目	任意整理	特定調停	個人再生	自己破産
概要	債権者との話し合いで債務を整理する私的な手続き	裁判所の主宰で、債権者との合意形成を図る調停手続き	裁判所の監督下で、将来の収入から弁済を行い、残債務の免除を受ける法的手続き	裁判所の監督下で、原則として全ての債務を免除する法的手続き
対象債務	原則として全ての債務	原則として全ての債務	原則として全ての債務（住宅ローンなど一部の債務は継続払い可能）	原則として全ての債務（一部の債務は免責不許可の対象）
弁済方法	分割弁済や一部免除など、債権者との合意に基づく	調停委員の助言を受けながら、債権者との合意に基づく	原則として3年間の分割弁済（一部弁済や一時弁済の場合あり）	原則として弁済不要（一部の債務は弁済が必要な場合あり）
債務免除	債権者との合意に基づく一部免除の可能性あり	債権者との合意に基づく一部免除の可能性あり	弁済を完了した債務は免除される	原則として全ての債務が免除される
資産の取扱い	私的整理のため、原則として資産は処分されない	調停の合意内容次第で、資産の一部を処分する可能性あり	一定の資産は手元に残せる可能性あり（住宅ローン特則など）	原則として全ての資産が処分される（自由財産は除く）
メリット	・柔軟な対応が可能 ・信用情報に傷がつきにくい	・裁判所の関与で合意形成がしやすい ・任意整理より債務免除を得やすい	・一定の資産を残しながら債務を整理できる ・比較的信用情報への影響が少ない	・原則として全ての債務を免除できる ・手続期間が比較的短い
デメリット	・法的強制力がない ・債権者の同意が必要	・調停不成立の場合、他の手続きを検討する必要がある	・一定期間の収入が弁済に充てられる ・裁判所の監督下に置かれる	・すべての資産を失う可能性が高い ・信用情報に大きな傷がつく

債務整理を要する可能性のある不動産問題

債務整理は、基本的に弁護士へのサポートが不可欠です。

特に次のようなケースでは、弁護士に依頼することにより自宅を手放さずにすんだり、売却後の負担が軽減したりすることもあるため弁護士に依頼することをおすすめします。

債務整理が絡む不動産問題で弁護士が必要な理由

任意整理・特定調停・個人再生・自己破産は、債務者の経済的再生を図るための法的手続きです。不動産を含む資産の取り扱いは債務者の生活への影響が大きく、慎重な検討が必要となります。

弁護士は、債務者の生活再建を図りつつ、不動産の適切な取り扱いについて助言します。ときには債権者との交渉を行ったり、裁判所に対して債務者の事情を説明したりすることで、不動産を守るための法的措置を講じます。

弁護士の業務

弁護士は、依頼者ができる限り有利になる形で債務整理することを目指します。
具体的には、以下のような業務によって依頼者の利益を最大限守ります。

方針の提案と実行

任意整理・特定調停・個人再生・自己破産のどれが適しているかは、状況と当人の意向次第です。弁護士は、債務者の状況を詳しく把握したうえで、任意整理、個人再生、自己破産等の債務整理手続きの中から、最適な方針を提案します。

続いて、債務者の同意を得て選択した手続きを遂行することで、債務問題の解決を図ります。

任意売却のサポート

ローンが返せない不動産や競売手続きが開始してしまった不動産も「任意売却」を選択することにより、売却後の債務を減らすことができるかもしれません。

任意売却とは、金融機関の承諾を得て、本来であればローンの完済によって抹消される抵当権をローンを完済せずに抹消してもらい、売却する手続きです。

多くの場合、任意売却の後も債務が残りますが、無理のない範囲で返済していくことが可能です。売却時の仲介手数料や引越し費用なども、債権者への交渉次第で売却して得たお金の中から捻出することもできます。これらの交渉は基本的に弁護士が行うため、任意売却には弁護士のサポートが不可欠です。

「住宅ローン特則」の適用

個人再生では「住宅ローン特則」をつけることができます。住宅ローン特則をつけることにより、住宅ローン返済中の家を残したまま個人再生手続きが取れます。

ただし、住宅ローン特則は住宅ローンの返済額を減らしたり、免除したりするものではありません。そのため、家を残したいという方であっても向いていない場合があります。

個人再生計画の立案

個人再生手続きにおいて、弁護士は再生計画案を作成し、裁判所に提出します。その際、不動産の処分方法や弁済原資の捻出方法などを検討します。

弁護士は、債権者集会で再生計画案の説明を行い、債権者の同意を得ます。再生計画認可後は、計画の遂行を監督します。弁護士の関与があれば、債務者は無理のない返済計画のもとで、不動産を守りながら債務を整理できる可能性があります。

「自由財産」の拡張

自己破産は、基本的にすべての債務が免除される代わりに、20万円を超える資産と99万円を超える現金以外のすべての資産を失う手続きです。

手元に残すことができる資産を「自由資産」といいます。原則的に自宅など価値のある資産を自由資産とすることは難しいですが、破産手続きでは自由財産の拡張が認められる場合があります。

弁護士費用の相場

債務整理が絡む不動産問題の弁護士費用は、事案の複雑さによって異なります。あくまで目安ではありますが、相場は以下のとおりです。

弁護士のサポートで問題を解決した事例紹介

ここでは、不動産あんしん相談室が弁護士と一緒にサポートさせていただいた事例をご紹介します。

破産管財人である弁護士の不動産売却を解決サポートできた事例

元所有者様が入居している物件の破産管財人になっており、なるべく早く高く売りたいと思っていました。 競売まで時間がない中、不動産売却までにしなければいけない手続き等があり忙しい状況でした。
元所有者への内覧手配・引越し手配等サポートを全面的にしてくれ本当に助かりました。おかげで競売前に売却することができました。 弁護士の立場を理解してくれているので、とても助かってます。いつもありがとうございます。

住宅ローン以外にも借金があり、任意売却・自己破産が完了した事例

住宅ローン以外にも借金があり、破産のため任意売却を考えておりました。
弁護士さんからの紹介で不動産あんしん相談室を知り、早速相談をさせていただきました。 本当に親身になって相談にのってくださったり、かつトータルにサポートしていただき感謝しております。スピーディに高く売却でき、破産も無事完了することができました。ありがとうございました。

信頼できる不動産あんしん相談室で任意売却ができました

競売になって悩んでいたところ、チラシを見て任意売却できる旨がわかり連絡しました。
しかし、我が家は荷物がたくさんあり、売却をして引越ししようにも費用を工面できず、困っていました。正直他社は信用できず不安でした。
不動産あんしん相談室は女性が多いこともあり、騙される気が全くせず信用できそうだなと思い、対応をお願いしました。 実際対応が丁寧で連絡が頻繁、聞きづらいわからないことも聞いたら丁寧に教えていただきとても安心しました。さらに弁護士さんも紹介していただき、何から何まで本当にありがとうございます。無事売却・引越しできたのは不動産あんしん相談室のおかげです。

まとめ

債務整理は1つではないため、整理後の暮らしを考えたうえで適切な手続きを選択する必要があります。整理後の負担をできる限り減らし、新たなリスタートを切りやすくするには、弁護士の助言や支援が不可欠だといえるでしょう。

不動産あんしん相談室は、全国の弁護士と連携したうえで不動産問題の解決にあたらせていただいております。

当相談室が窓口となってワンストップでサポートすることも、弁護士をご紹介させていただくことも可能です。連携や紹介にあたって手数料をいただくことはありません。不動産あんしん相談室の初回相談は、30分まで無料です。電話や対面はもちろん、ZoomやLINEなどあらゆるデバイスに対応しておりますので、ご気軽にご相談ください。

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