住宅ローンと任意売却には、さまざまなウワサが都市伝説として広まっておりますが、本当なのでしょうか?
よく聞かれる7つの住宅ローンと任意売却にまつわる都市伝説に真正面から回答いたします。
1:任意売却をしたければ、意図的に住宅ローンの支払いを止めて放置すべき?
結論:放置したら競売にかけられてしまいます!
まず、住宅ローンの支払いが滞った場合どうなるのか、というそもそも論から考えてみましょう。
・1ヶ月滞納
翌月から滞納している前月分も合わせて支払いの請求が届きます。
しかし基本的には、いきなり債権者である金融機関から電話がかかってくるということはありません。
催告書が郵送で届き、静かな請求の開始です。
これが、滞納の罪悪感と危機感を下げてしまう要因なのかもしれません。
・3ヶ月滞納
個人信用情報へ金融事故として掲載されます。
つまり、この人は資金的に危ないよ!という情報が信用情報を扱う機関に登録にされ、金融機関が照会すればいつでも見れるようになるわけです。
こうなると、静かに行動に制限がかかってきます。
知らない間に、クレジットカードの審査が通らなくなります。
しかし、まだ表立っては目立つ制約はありません。
・6ヶ月滞納
「期限の利益喪失」を喪失し、住宅ローンの残債務も含めた一括支払請求が届くと同時に、代位弁済(債権が銀行から保証会社に移行)が行われます。
つまり、この後いくら資金の用意ができて、今までと同様に住宅ローンを支払いたいと言っても、保証会社は受付けさえもしてくれません。
たいていの方は、ここへ来て、ようやく事態の重さを認識します。
あわててご相談に来られる方が、一番多いタイミングです。
こうなると、もはや一括返済か、売却かしか道は残されていません。
放置し続けると取り返しのつかないことになります
金融機関は以上の流れのように、粛々と手続きを進めますが、放置するのが一番危険です。
重大なポイントは、時間が経つにつれ、銀行など金融機関と信頼関係が喪失していくことになります。
住宅ローンの支払いがやむを得ず、困難になった場合は、まず必ず住宅ローンを組んだ銀行など金融機関に相談をしましょう。
場合によっては、金利の見直しを提案してくれたり、住宅ローンの返済額を減らしてくれる場合もあります。
2:住宅ローンを支払えなくなっても任意売却すればブラックリストに載らない?
結論:ブラックリストには掲載されます!
任意売却を行う際には、ほとんどの場合、すでに代位弁済(保証会社から金融機関へ残りの住宅ローンの返済)を終えております。
ということは、1の回答の中で記載した通り、3ヶ月は経過しているわけですので、その時点で個人信用情報へ金融事故として掲載されます。
つまり、ブラックリストに掲載されるわけです。
これは、任意売却がきちんと成立した場合であったとしても同じです。
ブラックリストに載るかどうかは、住宅ローンを滞納することなく返済を続けられたかどうかにかかっているのです。
そのため、任意売却が上手くいったとしてもブラックリストに載らないとか、ブラックリストから消されるということはありません。
3:住宅ローンを払えなくなっても保証会社が支払うから銀行などの金融機関に迷惑をかけない?
結論:銀行などの金融機関に多大な迷惑をかけます!
銀行などの金融機関は、住宅ローンの返済の遅延・滞納があった時からすでにチェックを始めております。
その後、個人信用情報への掲載や、一括請求、代位弁済の請求など様々な手続きがほぼ自動的に行われることとなります。
毎年、何十万件もの住宅ローンを抱えている金融機関からすれば、それらの手続きが増えれば、人的コスト、時間的コストが多大に発生し、業務に支障が出てきます。
金銭面だけを見て、迷惑がかからないと思うのは大間違いです。
4:任意売却しなくとも競売にかければ、住宅ローンの残債は全部チャラになる?
結論:残債はチャラになりません。強制的にで家から追い出される可能性があります。
任意売却などという面倒な手続きをせずに、競売になるまで放っておけば良い。
そう考えて、実際に放置していた方もおられました。
理由を伺うと、大多数の方がこう答えます。
「滞納から競売まで1年半~2年ほどかかるので、その間だけ住んでいて、時間が経過すれば裁判所が勝手に売ってくれるので、残債務もなくなるし、自分は動かなくて良いので手間が省けると思っていた。」
現実はどうだったのでしょうか。
競売完了まで住みつづけられるというのは、そのとおりですが、皆さんがあまりご存じない予定外のことが3点あります。
1つ目は、裁判での競売手続き費用は自腹となるという点
2つ目は、競売が完了後は、どんな事情であれ裁判所から強制的に追い出されるという点
3つ目は、安く売られることが多く、残債務が残る場合が大多数であるという点
そんなはずじゃなかった、と競売が完了した時点でご相談に来られる方もおられますが、競売が完了した後ではどうしようもありません。
強制的に退去を要請されるので、生活の再建も非常に厳しくなるでしょう。
これまでご相談に来られた方の中には、まさに競売を終えた後、気づくと財産は何も残っていないのに、住宅ローンの残債務だけ抱えて着の身着のまま退去させられた方もおられます。
金融機関や保証会社、裁判所からなにかしらの請求書や通知が届いたら、絶対に放置せず、すぐにご相談ください。
5:専門業者に依頼しても、任意売却の交渉は自分でしないといけない?
結論:依頼主である方に交渉を依頼することなどありえません!
任意売却の専門家を名乗る業者の中には、最初の相談とアドバイスだけを行い、後の手続きをすべて依頼者にさせようとするとこもあるそうですが、そんなこと本当の専門家なら絶対にありえません。
住宅ローンの残債務が残った上での債権者との任意売却の交渉は、とてもシビアなもので、専門知識も必要ですので、素人ができるものではありません。
6:弁護士に依頼すれば任意売却も住宅ローンの残債の処理も全部やってくれる?
結論:弁護士がすべて行うことはできません!
弁護士はあくまで法律のプロフェッショナルであって、不動産のプロでありません。
そのため、自己破産や競売などの処理については熟知していても、任意売却を行うことはできません。
さらには、不動産関係を扱うには、宅地建物取引業者(宅建)の資格が必要となってきます。
よく勉強されている弁護士であれば、住宅ローンの残債務の処理については、任意売却という手段があり、その道のプロがいるということを知っております。
そして、任意売却を頼めるパートナー企業がいるはずです。
しかし、あまり不動産業界に詳しくない弁護士であれば、ただただ自己破産を勧められることが多いとききます。
そのため、住宅ローンがらみの問題については、まずは、不動産の専門家、特に任意売却の専門業者へご相談されることをおすすめいたします。
7:任意売却は、簡単なのでちょっと勉強すれば自分でできる?
結論:絶対にできません!
5番でも書きましたが、素人が自分で行うのはほぼ不可能です。
住宅ローンの仕組みと、任意売却を知っていることと、それを実際に行えることは、まったく別問題です。
また、宅建業等免許の問題もあります。
自分で行おうと考えておられる方は、住宅ローンの残債務という大きな荷物を背負っている上に、さらに専門家にお金を払う余裕が無いと考えていることでしょう。
しかし、きちんとした任意売却の専門家に依頼すれば、任意売却で住宅を売却した際に得られる料金の中から、専門家に支払うお金を捻出することが可能です。
そのため、事実上、相談料、任意売却の手続費用のすべてがゼロ。つまり現金を支払う必要はありません。
さらに、住宅の売却で得られたお金の一部を、生活の再建の引越費用として依頼主様へお渡しすることが可能です。
決して、1人で悩まれること無く、まずは相談!というこの1つを必ず頭の中に入れておきましょう。