近年、住宅ローンの支払いが厳しくなって、大切なマイホームを手放さなければならない方が増えています。そんなとき、できるだけ良い条件で家を売却するための方法として「任意売却」という選択肢があります。
この記事では、どんな場合に任意売却ができなくなるのか、そうならないためにはどうすればいいのか、具体的な対策まで詳しくご説明します。住宅ローンの支払いに不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
「任意売却」って何?
任意売却というのは、住宅ローンの支払いが難しくなったときに、ご自身で不動産会社を通じて家を売却する方法です。裁判所が強制的に家を売る競売(裁判所が強制的に家を売却すること)と比べると、次のような良い点があります。
- 普通に家を売るのと同じように、良い条件で売れる可能性が高い
- 引っ越しの時期も、ある程度自分で決められる
- 将来のローンやクレジットカードへの影響が競売よりも少ない
任意売却ができなくなるケースとその理由
しかし、近年この任意売却が思うようにできないケースが増えているのです。
その理由をいくつかご紹介します。
家の価値が大きく下がっているケース
築年数が経った家や、修繕があまりできていない家は、残念ながら市場価値が大きく下がってしまうことがあります。
特に気を付けたいのは、残っている住宅ローンの金額よりも家の価値が低くなってしまっている場合です。このような状況では、任意売却自体が難しくなってしまいます。定期的なメンテナンスや必要な修繕を行うことで、できるだけ家の価値を保つように心がけることが大切です。
権利関係が複雑になっているケース
マイホームの購入時に、複数の銀行からローンを借りているケースや、親族との共有名義になっているケースでは、任意売却の手続きが複雑になります。
このような事態を避けるためには、住宅ローンを組む際に、できるだけシンプルな借入れ構造にすることをおすすめします。また、共有名義の場合は、早めに家族で話し合いの場を持つことが重要です。
銀行との話し合いがうまくいかないケース
住宅ローンの支払いが遅れ始めてから長い時間が経過していたり、銀行からの連絡に応じていなかったりすると、任意売却の相談をしても銀行が応じてくれない場合があります。
このような事態を防ぐために最も大切なのは、支払いが厳しくなり始めた初期の段階で、すぐに銀行に相談することです。多くの銀行では、住宅ローンの返済に関する相談窓口を設けています。返済計画の見直しなど、競売を避けるための様々な提案をしてくれる可能性があります。
フラット35を利用しているケース
「フラット35」や「住宅金融支援機構」または「労働金(日本労働者信用基金協会)」のような機関が関わる場合、任意売却が難しい場合がございます。
そのため、競売に進む前に、少しでも滞納が発生した段階でご相談いただくことをおすすめします。 事前にご相談いただければ、「リースバック」という方法(家を売った後もそのまま住み続けられる仕組み)ができる可能性もあります。
任意売却ができないと起こる問題とその影響
競売を避けるための救済措置でもある「任意売却」ですが、もしできなかった場合、どのような問題や影響が起きるのでしょうか。
経済的な影響
競売になってしまうと、通常の売却価格よりもかなり安い金額で売られてしまうことが多いのです。たとえば、本来なら2,000万円で売れる家が、競売では1,200万円程度でしか売れないということもあります。
さらに、競売の手続きが始まると、延滞金や各種手数料がどんどん膨らんでいきます。その結果、家を売却しても借金が残ってしまい、その後の生活再建が難しくなってしまう可能性があります。
生活への影響
競売になると、個人信用情報機関に記録が残ってしまいます。これにより、新しい住居を借りる際の審査が通りにくくなったり、クレジットカードが作れなくなったりする可能性があります。
また、突然の強制退去を求められる場合もあり、慌ただしい引っ越しを強いられることも忘れてはいけません。
精神的な負担
競売になることで感じる不安やストレスは計り知れません。
特に、ご近所の目が気になったり、家族関係が悪化したりするケースも少なくありません。またお子様がいる場合、学校問題や友人関係への影響も心配です。
競売を避けるために今できること
専門家への相談
住宅ローンの支払いに少しでも不安を感じたら、すぐに行動を起こすことが何より大切です。まずは一人で悩まず、専門家に相談することをおすすめします。
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早期対応が解決のカギ
住宅ローンの支払いが難しくなり、大切なマイホームを手放さなければならない状況は、誰にとっても辛い経験です。しかし、諦めずに行動を起こすことで、必ず道は開けます。
早めの相談と対策で任意売却の可能性を高め、競売という最悪の事態を避けることができます。一人で抱え込まず、ご家族と相談しながら、専門家のアドバイスも受けて、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
今は大変な状況かもしれませんが、必ず解決の道はあります。この記事が、よりよい解決への第一歩となれば幸いです。
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