- 不動産を共有しているけれど、活用できずに放置している
- 他の共有者と折り合いが悪いので、関係を解消したい
- 裁判所に訴えないと共有関係を終わらせられないの?
- 共有者に知られずに共有持分だけ処分したい…
不動産を共有している場合、自分の自由に使うことができないので不便ですし、さまざまなトラブルが起こります。
以下では不動産の共有関係を解消した方がよいケースとその場合の対処方法について5つ事例をご紹介していきます。
1、遺産分割協議を行う(相続で共有となっているケース)
Aさんは兄弟3人で実家を相続しましたが、遺産分割協議をせずに不動産を共有のままにしていました。
ところがその後、実家の活用方法について他の兄弟と意見が合わずトラブルに。
Aさんは、将来自分が亡くなって子どもが相続したときのことも心配になりました。
そこでAさんは、他の兄弟にきちんと遺産分割協議をしようと持ちかけて、話し合いを行うことに。
協議は難航しましたが、最終的に長男が実家を引き継いで、次男とAさんには代償金を払うことでトラブルを解決できました。
2、他の共有者に買い取ってもらう
Bさんは2人で共有している不動産を持っていました。
持分は2分の1ずつです。
Bさんとしては、不動産を積極的に賃貸に出したかったのですが、共有者は「一回貸したらなかなか返してもらえない…」と賃貸に消極的なので意見が合わずに困っていました。
そこで、Bさんは共有持分権者に自分の持分の買取を求めました。
不動産の査定をおこなった結果、全体の評価額は4000万円であることが判明。
Bさんは半額である2000万円で買い取ってもらおうとしましたが、相手は「1700万円なら買い取る」と言って譲らないので、最終的に1700万円で買い取ってもらうことで合意しました。
3、自分が他の共有者の共有持分を買い取る
Cさんは、3人で不動産を共有していました。
Cさんが2分の1、他の2人がそれぞれ4分の1ずつの共有持分を持っている状態でした。
Cさんには過半数の持分がないため、何かと他の共有持分権者の承諾をとらなければならず、とても不便に感じていました。
そこで他の共有持分権者に対し、持分を買い取りたいと申し出ることに。
買取価額については不動産全体の評価額の4分の1である1000万円ずつでどうかと持ちかけました。
1人はそれで了承しましたが、もう1人は「1100万円にしてほしい」というので、その金額で売ることに合意しました。
4、共有物分割請求をする
Dさんは、不動産を3人で共有していましたが、共有関係が面倒なので売却してしまいたいと思っていました。
他の共有持分権者にその話を持ちかけても断られてしまったので困り、最終的に裁判所で共有物分割請求をすることに決めました。
まずは共有物分割調停を申し立てて、調停委員を間に挟み、話し合いをしましたが、やはり相手らは売却に同意してくれませんでした。
仕方がないので、弁護士に依頼して共有物分割訴訟を行うことに。
弁護士からは「裁判では、裁判官が共有物の分割方法を決定するので必ずしもDさんの思い通りに売却できるとは限らない」と言われました。
裁判所が判決を下す場合、以下の中から適切な方法が選ばれます。
- 不動産を売却する(競売)
- 誰かが取得して代償金を支払う
- 不動産を分筆する
最も避けたい「競売」などの方法が、裁判官の判断によっていきなり採用されることもあるとも聞かされました。
そのことを聞いて不安になり、裁判官の進めもあってDさんたちは和解をすることにしました。
和解内容としては、他の共有持分権者が評価額のうちDさんの持分割合に応じて持分を買い取ることとなりました。
5、共有持分だけを不動産会社に売却する
Eさんは、他の共有持分権者との関係が悪化していたため、話し合いができる状態ではありませんでした。
不動産は完全に放置状態となって活用できていませんでしたし、固定資産税の支払いはEさんのところに届くので、仕方なくEさんが払っている状態でした。
このような状況に嫌気がさしたEさんが不動産会社に相談したところ、共有持分だけを売却できることを知りました。
そこでさっそく不動産会社に査定を依頼したところ、Eさんの共有持分を800万円で買い取ってくれるということでした。
契約をしたらすぐに売れて共有関係から外れるということであり、また他の共有持分権者に断りを入れる必要もないということだったので、Eさんは持分の売却を決意しました。
売買契約を締結したあとは手付金を受けとり、すぐに決済を行って売却を完了しました。
売却代金もすぐに手元に入ってきて、面倒な共有関係から外れることができたのでよかったと思っています。
不動産会社にきちんと事情を話して、後に他の共有持分権者と話をするときにも問題が起こらないよう配慮してくれるようにお願いしておいたため、その後、特に元の共有持分権者からの苦情なども来ていません。
まとめ
以上、5つのケースと対処方法をご紹介しました。
共有持分を持っている場合、どうしても放置されたり、トラブルに発展したりするケースが多く見受けられますが、最終的には持分のみを売却すれば解決可能です。
不動産の共有関係の解消を希望していて共有持分売却に関心がある場合には、一度専門の不動産会社に問い合わせてみてください。
共有持分買取の詳細はこちらをご確認ください。