離婚後も今の家に住み続けたい一方で、「元夫名義の家だと児童扶養手当(母子手当)がもらえないのでは」と不安に感じる方は少なくありません。
結論からお伝えすると、家が元夫名義・妻名義のどちらかという理由だけで、児童扶養手当の支給可否が決まるわけではありません。主に確認されるのは、受給者や扶養義務者の所得、養育費などの経済的支援、元配偶者との生活実態です。
【結論】家の名義だけで児童扶養手当が決まるわけではない
児童扶養手当には所得制限があり、受給者本人や生計を同じくする扶養義務者などの前年所得によって、全部支給・一部支給・支給停止が判定されます。持ち家があることや、自宅が妻名義であることだけを理由に、一律に不支給となる制度ではありません。
一方、元夫が住宅ローンや家賃などを負担している場合、その経済的利益が養育費等として所得計算に影響する可能性があります。また、元夫との同居や頻繁な訪問、生計費の補助などの生活実態によっては、事実婚状態にあるかが個別に確認されます。
児童扶養手当で確認される主なポイント
- 受給者本人の前年所得
- 同居する扶養義務者などの前年所得
- 元配偶者から受け取る養育費などの経済的支援
- 元配偶者との同居・訪問・生計費負担などの生活実態
養育費として受け取った金品等は、その8割相当額が所得の計算に加算されます。住宅ローン返済などの住居費負担がどのように評価されるかは、契約や支払い、居住の実態によって異なるため、市区町村の児童扶養手当窓口へ具体的に申告・確認してください。
妻名義の持ち家なら児童扶養手当に影響しない?
妻名義の自宅に住んでいることだけで児童扶養手当が不支給になるわけではありません。ただし、家から賃料収入や売却益などの所得が生じた場合は、所得計算に影響する可能性があります。
家を妻名義に変更するかどうかは、児童扶養手当だけで決めるのではなく、住宅ローン契約、財産分与、登記費用や税金、将来の売却、返済を続けられるかを含めて判断することが大切です。
元夫が住宅ローンを払う家に住む場合の注意点
元夫が住宅ローンを負担しているからといって、必ず児童扶養手当が不支給になるわけではありません。しかし、住宅費の負担が児童の養育に必要な経済的利益と判断されれば、所得計算に影響する可能性があります。
厚生労働省の留意事項では、元夫が住宅ローンを負担していても、実際に同居していないことが確認できれば直ちに事実婚とはならない一方、頻繁な訪問と定期的な生計費補助がある場合などは個別判断が必要とされています。詳しくは厚生労働省「児童扶養手当の取扱いに関する留意事項」およびこども家庭庁「児童扶養手当について」をご確認ください。
不動産は妻名義、住宅ローンは夫名義は可能?
なかには、不動産の名義だけを妻に変えたいと考える方もいらっしゃるかと思います。
結論から言うと、自宅の名義だけを夫から妻に変更すること自体は法律上可能です。ただし、住宅ローン名義が夫のままになっている家に住み続けることは大きなリスクも伴うことも忘れてはいけません。
支払いが滞ったら強制退去
もし元夫がローンの返済が滞ると家は競売にかけられ、あなたたちは強制的に退去しなければなりません。意図的でなかったとしても、病気やケガ、生活苦などどうしようもない理由で支払いができないケースも現実的には多く、その皺寄せが元妻や子どもたちの生活に降りかかってしまうのです。
ローン一括返済のリスク
また住宅ローンは原則として「ローンを組んだ本人がその家に住むこと」を条件としているため、夫が家を出ていき妻だけが住む場合、契約違反となる可能性があります。
契約違反があった場合、金融機関はローンの一括返済を要求することができるため、より
困難な状況に陥るでしょう。
詳しくは「離婚後、夫名義の家に妻が住み、住宅ローンを夫が払う3つのリスク」もご確認ください。
そんな不安を抱えて生活するくらいであれば、自分に名義を変えたいという需要も近年高まっており、当相談室では年収150万円程度のパートでもローンが組めたという事例もあります。

離婚後でも年収が少なくてもローンを組める可能性あり
妻側が「自分名義に変更したいけど、収入が少ないからローン審査に通るか不安」という声をよく聞きます。しかし、シングルマザーであってもローンを組むことは可能です。以下にそのポイントを挙げますので、参考にご覧ください。
- 安定した収入
正社員や契約社員としての安定収入があると有利ですが、パートでも通る場合があります - 公的手当の活用
児童扶養手当やその他の手当は収入としてカウントされることがあります - 保証人や連帯保証人を立てる
親族などの協力を得ることで審査が通りやすくなる場合があります - 信用情報の確認
過去のクレジットカードやローンの利用履歴に問題がないか確認しておくことが重要です
「年収が少ないから」「パート勤務だから」と諦めず、まずは可能性を探るためにもお気軽にご相談ください。
まとめ
離婚後に元夫名義の家へ妻子が住み続けても、家の名義だけで児童扶養手当が不支給になるわけではありません。確認すべきなのは、所得、養育費や住宅費などの経済的支援、扶養義務者の所得、元夫との生活実態です。
児童扶養手当の判断は個別事情によって異なるため、住宅ローンの支払い状況や離婚協議書、養育費の取り決めを整理して、市区町村の窓口へ確認しましょう。同時に、元夫の返済停止や一括返済請求、競売といった住居上のリスクも検討する必要があります。
不動産あんしん相談室では、家の名義変更、借り換え、売却、リースバックなどを含め、離婚後の住まいを維持する方法をご提案します。
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