こんにちは、不動産コンサルタントの神田です。
みなさんは住宅ローンを組む時、以下のようなことをよくよく検討されたと思います。
- 自分の年収でいくらまで借りることができるのか
- 毎月の返済額はいくらになるのか
- その返済額に無理はないか
しかし実際にローン審査が通った後は、あまり気にせず生活されている方も多いのではないでしょうか。
こどもの教育資金や定年退職による収入の減少で「ローン返済ができなくなった」とならないために、返済中もローン残高を意識しておく事はとても大切です。
ローン残高を知っていますか?
実際ローンの支払いを続ける中で「現在の残高はいくらか」を意識している方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
また優遇金利が切れたときの支払いはいくらになるのか、定年退職時のローン残高はいくらになるのか。
きっとそのようなシュミレーションしている人は、それほどいらっしゃらないかと思います。
結婚・出産を経て、そろそろマイホームをと考える30代の方が、住宅ローンを組む場合、35年で組まれる方がほとんどであるため、完済年齢は定年後になってしまう方も多くいらっしゃいます。
「定年後もローンを払い続ける」という現実を、30代の若さでは実感できないことと、周りにそのような方が多くいるので抵抗なくローンを組まれている人を多く見かけます。
また、定年時に残ったローンは退職金を充てようと考えていらっしゃる方も多いです。
定年後のローン残高が1000万円以上なら危険!
住宅ローンを検討する際、完済年齢を確認していても、定年時にいくら残るかを確認してローンを組む方は少ないのではないでしょうか。
すでに住宅ローンを組んでお支払い中の方も、ぜひ定年時の残高を確認することをおすすめします。
方法はネットで計算できるサイトがいくつかありますし、ローンを組んでいる銀行でも教えてくれます。
一般的に、定年時に1.000万円以上残っていると「危険」だと言われています。
これはよく耳にする「老後破綻」の危険性が高いといえます。
公的年金に頼ることができない将来、退職金を充当するにしても、老後資金が十分でないとその後の生活に支障をきたします。
定年後も働き続けることができても、収入は現役時代より大幅に下がってしまいます。
今までは無理なく支払えてきた返済額も、少ない収入の中では大きなウエイトを占めてしまいます。
年金生活に入ってしまうとそこからローンを支払う事は大変。
住宅ローンに加えて、マンション管理費、固定資産税も支払い続けなければなりません。
収入が無くなってしまい、貯金を取り崩す生活の中からローンを支払い続けることになるのです。
出来れば定年後は住宅ローンを残さない事が重要です。
長い支払い期間を無事乗り切るために
すでに定年後までのローンを組んでしまった人が、ローンを残さないようにする為、思いつく方法は「繰り上げ返済」だと思います。
住宅ローンをなるべく早く返済しようと、無理をしてでも繰り上げ返済をしようとしてしまいがちなのですが、そこは注意が必要です。
住宅を購入したのも束の間、やがてこどもが大きくなり教育費もかかってきます。
人生の三大出費の2つ、教育費、老後資金。
この2つを上手く貯めながら、繰り上げ返済をしていかなくてはなりません。
突然のリストラ、病気など不測の出来事に備えての貯蓄もしながら、無理をしない範囲で「期間短縮」できる繰り上げ返済をしていくことが大切です。
また、今のような低金利の時代ですとローンの借り換えも支払期間を短縮できる1つの方法といえます。
まとめ
住宅ローンは返済期間が長くて金額も多く、またさまざまな出費と重なり、上手に返済していくことは大変です。
ローンを組むときにはよく考えても、その後あまり考えずに毎月家賃のように支払い続けているだけの方がいらっしゃいます。
しかし将来、大変な目にあうことのないよう、無事完済することができるように、数年に一度、支払い続けていくことが可能かよく考える必要があります。