離婚後も今の家に住み続けたい場合、夫婦間の約束だけで住宅ローンや不動産の名義を変更することはできません。特に「夫名義の家に妻と子どもが住む」「元配偶者がローンを払い続ける」ケースでは、滞納・競売・相続など将来のリスクまで確認する必要があります。
この記事では、離婚後も自宅に住み続ける方法を、住宅ローン残高、名義変更、借り換え、持分買取り、リースバックの選択肢から解説します。
離婚後も家に住み続ける前に確認する3項目
住宅ローンと不動産の名義
登記上の所有者と住宅ローンの債務者は別です。離婚や財産分与をしても返済義務は自動的に移りません。主債務者、連帯債務者、連帯保証人、共有持分を確認し、名義変更や借り換えは金融機関へ事前に相談します。
ペアローンは離婚後も双方の債務と保証関係が残ります。詳しくは離婚後にペアローンの片方が払えなくなった場合の対処法をご確認ください。
住宅ローン残高と査定額
査定額が残債を上回る「アンダーローン」なら売却や持分買取りを進めやすく、残債が査定額を上回る「オーバーローン」では差額精算、返済継続、任意売却などを検討します。
| 状態 | 意味 | 主な選択肢 |
|---|---|---|
| アンダーローン | 査定額がローン残高を上回る | 売却・借り換え・持分買取り |
| オーバーローン | ローン残高が査定額を上回る | 返済継続・差額精算・任意売却・リースバック |
住む人と返済する人
住む人とローンを払う人が異なるほどリスクは高くなります。元配偶者が支払う約束でも、失業・病気・再婚などで返済が止まる可能性があります。滞納時の対応、売却条件、固定資産税や修繕費の負担まで書面に残しましょう。
離婚後も自宅に住み続ける5つの方法
1.住宅ローン名義人が住み続ける
手続きは比較的少ない方法です。ただし共有名義なら、退去する側の持分を財産分与や売買で整理します。
2.住む側が住宅ローンを借り換える
夫名義から妻名義へ単純に変更するのではなく、住む側が新たなローンを組み、既存ローンを完済する方法です。収入、勤続年数、年齢、他の借入れ、物件価値などの審査があります。銀行に断られた場合は住宅ローンの名義変更ができない理由と解決策もご覧ください。
3.相手の共有持分を買い取る
住む側が相手の持分を買い取れば所有関係を整理できます。時価、ローン残高、税金、登記費用を確認し、金融機関・司法書士・税理士と進めます。
4.元配偶者から賃借する
元配偶者名義の家に賃料を払って住む方法です。ただし住宅ローンの本人居住条件や、名義人が滞納した場合の競売リスクがあります。
5.売却後にリースバックで住み続ける
家を売却してローンを整理し、賃貸借契約を結んで住み続ける方法です。売却価格、家賃、契約期間、買戻し条件を確認します。当相談室では普通賃貸借契約を採用し、契約後の家賃を値上げしないリースバックにも対応しています。
元配偶者名義の家に住み続けるリスク
- ローン滞納により競売となり、退去を求められる
- 名義人の再婚や死亡で相続人との協議が必要になる
- 固定資産税・管理費・修繕費の負担で争いになる
- 売却や借り換えに名義人の協力が必要になる
- 連帯保証人から外れず返済請求を受ける
離婚協議で決めておくこと
| 項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 住宅ローン | 返済者、返済口座、滞納時の対応 |
| 所有名義 | 持分の処理、名義変更の時期と費用 |
| 居住条件 | 居住期間、退去条件、売却条件 |
| 維持費 | 固定資産税、管理費、修繕費 |
| 死亡・再婚 | 相続や家族構成変更時の扱い |
住み続ける方法を選ぶための比較表
| 方法 | 所有権 | 主な条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 現在の名義人が住み続ける | 原則そのまま | 返済を継続できること | 財産分与、共有持分、連帯保証を別途整理します。 |
| 住む側が借り換える | 住む側へ移すことを検討 | 単独で借り換え審査に通ること | 収入、残債、担保評価等の審査があります。 |
| 相手の持分を買い取る | 住む側へ集約 | 持分価格と資金を準備できること | 持分評価、ローン、税務、登記の確認が必要です。 |
| 元配偶者から借りる | 元配偶者のまま | 返済・税金・修繕・売却時期を合意できること | 返済停止、相続、再婚、差押え等で居住が不安定になる可能性があります。 |
| 売却後にリースバック | 買主へ移転 | 売却価格、家賃、賃貸条件が成立すること | 所有権を手放します。将来の家賃負担や契約内容を確認します。 |
「子どもが成人するまで住む」という約束で確認すべきこと
夫婦間で長期の居住を約束する場合、期間だけでなく、将来起こり得る変化への対応まで決めておく必要があります。
- 住宅ローンの返済状況をどのように確認するか
- 固定資産税、火災保険、管理費、修繕費を誰が負担するか
- 返済が止まった場合、いつ誰に連絡するか
- 所有者が売却を希望した場合の条件
- 再婚、死亡、相続、差押えが発生した場合の対応
- 退去が必要になった場合の猶予期間と費用
離婚協議書に記載した約束だけでは、金融機関の抵当権や第三者への売却を防げない場合があります。長期居住を希望するときは、住宅ローン・所有権・賃貸借の関係をまとめて確認してください。
リースバックで住み続ける場合の確認事項
リースバックは、自宅を売却して代金を受け取り、買主と賃貸借契約を結ぶことで住み続ける方法です。売却価格だけでなく、家賃、契約種類、契約期間、更新条件、修繕負担、将来の退去条件を確認します。
不動産あんしん相談室がご案内する普通賃貸借のリースバックでは、契約に定めた家賃を当社都合で値上げしない方針です。適用条件や契約内容は物件・取引条件によって異なるため、個別の提案書と賃貸借契約書でご確認ください。
リースバックが最適とは限りません。借り換え、通常売却、任意売却、親族間での整理などと比較し、毎月の支払額と将来の住まいを無理なく維持できる方法を選ぶことが重要です。
相談時にあると整理しやすい資料
- 住宅ローン返済予定表または残高証明書
- 登記事項証明書
- 固定資産税納税通知書
- 管理費・修繕積立金が分かる資料(マンションの場合)
- 離婚協議書または合意案
- 住み続けたい期間と毎月負担できる金額のメモ
書類が揃っていなくてもご相談いただけます。住宅ローン全体は離婚と住宅ローンの解決方法、名義変更は離婚時の不動産名義変更、返済が難しい場合は離婚による任意売却もご確認ください。
よくある質問
離婚すれば住宅ローンの名義も変更できますか?
いいえ。離婚だけで債務者は変わりません。金融機関の審査を受けて借り換えるか、売却代金などで完済する必要があります。
夫名義の家に妻と子どもだけで住めますか?
夫婦間では合意できますが、住宅ローン契約、滞納、相続のリスクがあります。金融機関への確認と、居住・返済条件を定めた書面が必要です。
オーバーローンでも住み続けられますか?
返済継続のほか、任意売却とリースバックを組み合わせる方法があります。債権者の同意と無理なく払える家賃かの確認が必要です。
相談は離婚後でも間に合いますか?
離婚後も相談できますが、財産分与や名義変更の合意前のほうが選択肢は多くなります。
離婚と不動産の問題は合意前に整理しましょう
不動産あんしん相談室は創業18年以上、弁護士・司法書士など500名以上の専門家ネットワークと連携しています。売却、名義変更、任意売却、リースバックを比較し、ご家族に合う方法をご提案します。まずは無料相談で状況をお聞かせください。













