「住宅ローンの返済が苦しい」というときに取るべき選択肢は、大きく分けて2つあります。
1つは住宅ローンの見直しをする「リスケジュール」。そしてもう1つは、家を売却してローンそのものをなくすという選択肢です。
この2つを比較していきますが、ローンをなくす選択肢の中には「リースバック」という家に住み続けながら家を売却する方法があることをご存知ですか?
住宅ローンの返済が滞ったら競売は避けられない
まずは、住宅ローンの返済が滞ったらどうなるのか説明します。
住宅ローンの返済が3ヶ月~6ヶ月滞ると、金融機関は「競売」に向けた手続きを開始します。競売とは、裁判所主導によって家を強制的に売る手続きのことです。
競売になると、所有者の希望や意向は一切通らず落札価格や退去の時期が決まります。落札価格は相場価格の半値近くになることも珍しくなく、多くの場合、所有者は競売後にも多大な債務が残ります。
競売後、所有者は住むところを失い、債務の返済に追われ、結果的に自己破産に追い込まれてしまうケースもあるのです。
住宅ローンのリスケジュールとは?
「リスケジュール」とは、スケジュールを組み直すという意味です。「住宅ローンのリスケジュール」というと、返済計画や返済条件の見直しという意味になります。
住宅ローンのリスケジュールによって見直される点は、主に次の2つです。
- 返済期間
- 返済猶予
この2つの点がどのように見直されるのか、具体的にみていきましょう。
返済期間
まず見直されるのが、住宅ローンの返済期間。例えば25年ローンを組んでいるときに返済が苦しくなれば、期間を30年や35年に延長します。元本は変わらずに返済期間が延長することで、月々の負担額を少なくすることができます。
ただし、「返済期間が上限以上になる延長」は認められないという金融機関がほとんどです。例えば35年が返済期間の上限と定められている金融機関なら、元々の返済期間が25年の場合、延長されるのは最大10年。元々35年で契約している場合は、延長できないということです。
また完済時の年齢が金融機関の定める上限を超える場合も、返済期間を延長することはできません。例えば75歳が上限年齢の場合、60歳のときに15年を超える返済期間にリスケジュールすることはできないのです。
返済猶予
リスケジュールにより、一定期間だけ返済を猶予してもらうことも可能です。「一定期間」というのは、多くの場合で6ヶ月や1年です。ただしこの間、住宅ローンの返済がなくなるわけではありません。
返済猶予中は、最低限、利息分だけは支払うのが一般的です。また状況に応じて、元本の一部を支払うという取り決めになることもあります。
そして返済猶予は、どんな状況においても認められるものではありません。リスケジュールによって返済猶予が認められるには、以下のような条件が必要になります。
- 一時的に返済が苦しい
- 今後は安定した収入が見込める
- 新規の借り入れがない
リスケジュールによる住宅ローンの返済猶予は、あくまで一時的であるということを認識しておかなければなりません。
リスケジュールが返済苦の根本的な解決にならない3つの理由
リスケジュールによって「今」の現状は改善させることが可能ですが、それが根本的な解決になるわけではありません。
その理由は、次の3つです。
①リスケジュールが認められるとは限らない
住宅ローンのリスケジュールは、「返済期間の延長」と「返済猶予期間をもうける」ことが具体的な方法でしたね。しかし両者ともに、住宅ローンを通すときと同様「審査」が必要になります。
返済期間を延長する場合の審査は、前述通り、上限年数や上限年齢以下であることが前提となります。そして新規の住宅ローン審査と同様、年収や勤続年数などがチェックされます。
「今、収入がなくて返済が厳しい」という場合には、簡単に返済期間を延長してくれることはないでしょう。
一方、返済猶予の審査ポイントは、今現在、返済が厳しいという状況においても、一定期間を経たら改善する状況なのかということ。
- 職を失った人は、再就職の見込みがあるのか?
- 病気療養中の人は、退院したときの収入が見込めるのか?
などの点が審査されます。
住宅ローン借入時の審査と同じく、審査に落ちればリスケジュールは認められません。
②あくまで一時的な対策
返済期間が延長できれば、月々の返済額は減ります。しかし「住宅ローンの返済が厳しい!」と声をあげる人の多くは、すでに35年いっぱいいっぱいにローンを組んでいるもの。その場合、期間延長はできないというのは前述の通りです。
となると返済猶予を申請することになりますが、返済猶予はあくまで一時的な対策です。金融機関にもよりますが、返済猶予は半年や1年ごとに再申請し、猶予期間は最長でも2~3年間となります。
③猶予期間満了後には負担が増えることも
半年、1年、それ以上…と返済猶予期間を延長していくと、必ず「しわ寄せ」がきます。猶予期間中は支払い額が少なくなりますが、住宅ローンの元本が減るわけではないからです。
返済猶予の申請ができる状況においても、「期間終了後にさらに自分の首を絞めることにはならないだろうか?」と、しっかり自問自答して決めるべきです。
住宅ローン返済苦の根本的解決を目指すなら「リースバック」
住宅ローンのリスケジュールは、「住宅ローンの返済が厳しい」という現状を改善することはできます。しかし元本が変わらない以上、一時的な解決でしかないのです。住宅ローン返済苦の根本的な解決をのぞむ場合には、「リースバック」を検討してみましょう。
リースバックとは?
不動産のリースバックとは、「任意売却」により自宅を売却して住宅ローンの負担をなくし、売却後は買主から住まいを借り受けて、住み続けながら自宅を売ることができるという方法です。
リースバックの最大のメリットは、引越しをせずに今まで通り住むことができること。また元所有者は「買戻し優先権」を得ることができるので、将来的に経済状況が改善したときには家を再度所有することもできます。
当相談室では、任意売却からお住まいの買取にまで対応させていただいております。
任意売却は競売の入札がタイムリミット。時間との戦いでもあるわけです。「仲介」ではなく当社が直接的にお買取をさせていただくため、早急な対応ができ、競売が差し迫った状況でも回避できる可能性が高いです。
リスケジュールとリースバックの違い
リスケジュールとリースバックの最大の違いは、家を売るか売らないか。リスケジュールは自宅を売ることはしませんし、元本が減ることはありません。むしろ返済期間を延長したり、猶予期間をもうけたりすることで、負担が減ったように見せかけて実際は負担が増すとも捉えられるんです。
一方、リースバックは自宅の売却ではありますが、家に住み続けることができますし、買戻し優先権により再度所有者となることも可能です。「一時的ではなく根本的な解決」になるという点がリスケジュールとの大きな違いだといえます。
まとめ
当社では、「住宅ローンのリスケジュールが必要なのか?」「リスケの内容は大丈夫かな?」といったご相談にも対応させていただいております。また、当社がリースバックの買主となることも可能です。
複数回のリスケジュールの結果、最終的に住宅ローンの返済ができなくなり、当社買主によるリースバックを選択した方の声もご覧下さい。⇒コチラ
住宅ローンの返済が苦しいという状況を改善させるための選択肢は、1つではありません。問題が深刻化する前の方が取れる選択肢は多いですが、当社なら競売が差し迫った状況でも打開策が講じられるよう尽力いたします。
リースバックについて更に詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。