最初の借金の額は小さくても、返済ができない状況に陥ってしまえばどんどんとその額は膨らんでいきます。
状況によって最適な方法は異なりますので、あなたに合った解決方法をまずは見つけましょう。
①特定調停
特定調停とは、裁判所が選んだ調停委員が、債務者と債権者双方の言い分を聞いて話し合いを進める方法のことを言います。
対象は、債務を負っている者で「支払不能に陥るおそれのあるもの」
事業者であれば「事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの」「債務超過に陥るおそれのある法人」となります。(特定調停法2条1項)
この調停で利息や損害金、毎月の支払額の減免をしてもらい負債の圧縮を目指します。
特定調停のメリット
- 利息制限法による金利で取引当初から計算し直すため、債務額が減額される可能性がある
- 将来利息(今後支払わなければならなかった利息)を免除できる
- 「特定調停」する債権者を選択することができる(「特定調停」したくない債権者には、そのまま支払い続ける)
特定調停のデメリット
- いわゆる「ブラックリスト」に載り、約5~7年は原則として新たな借り入れやローンを組むこと、カードを作ることができなくなる
※完済後に過払い金請求などをする場合を除く - 民事再生と異なり、原則として、引き直し後の元本を減額することはできない
- 過払い金が生じている場合、別途、過払い金返還請求訴訟をすることが必要になる
- 調停が成立するまでに最低2か月以上はかかり、その間の遅延損害金を返済計画の
借金総額に加算される場合がある
②任意整理
任意整理とは、特定調停とは違い、裁判所を通さずに債務者に代わって、法律家(司法書士や弁護士)が債権者と任意の話し合いを行うことをいいます。
特定調停と同じく利息や損害金、毎月の支払額の減免をしてもらって、負債の圧縮を目指しますが費用は高くなります。
しかし、専門家が担当してくれるため手続きや話し合いが簡単です。
また任意整理で、払い過ぎていたお金(過払金)を取り戻すことができます。
これにより借金を減らす、もしくは帳消しになったり払ったお金を取り返せることもあります。
任意整理のメリット
- 司法書士・弁護士に依頼後は、債権者からの取り立て及び債権者への支払が停止する
- 家族や職場に内密にできる
- 原則として、将来利息(今後支払わなければならなかった利息)はつかないが、現在は経過利息や将来利息がつく場合がある。しかし、支払い可能な金額での分割支払いが可能
- 住宅(持ち家)を手放さずに借金を整理できる
任意整理のデメリット
- いわゆる「ブラックリスト」に載り、約5~7年は、原則として新たな借り入れやローンを組むこと、カードを作ることができなくなる
※完済後に過払い金請求などをする場合を除く - 民事再生と異なり、原則引き直し後の元本を減額することはできない
③個人民事再生
個人民事再生とは、対象者は下記3つに限られます。
- 給与などを定期的に貰える見込みがある
- 将来も継続的に収入を得られる見込みがある
- 借金の額が3,000万円以下
上記の者について、原則、住宅や自動車等 の財産を守ったまま、住宅ローン以外の借金を一定のルールに従って債務額の5分の1、あるいは100万円まで債務を圧縮して、3年で分割して返済すれば、残りの5分の4を免除するという手続きです。
自己破産と違い、免責不許可事由がある場合や職業上破産の欠格事由に該当する場合でも使うことができ、住宅を手放さずに借金を減らすことができます。
これらのことから、個人民事再生は住宅や自動車などの財産を手放したくない方に適している債務整理方法と言えます。
個人民事再生のメリット
- 借金の一部を原則3年(最長5年)の分割返済にすることによって、残りの借金を減らすことができる
- 自己破産のように、財産をすべて手放さなくてよい
- 職業制限や資格制限などがない
- 手続開始した時点で、債権者は強制執行できなくなる
個人民事再生のデメリット
- 借金が全額免除にはならない
- 信用情報機関の事故情報(ブラックリスト)に登録され、借入が今後約5~10年間できなくなる
- 官報に住所氏名が掲載される
- 返済を継続できる収入がないと手続きができない
④自己破産
自己破産とは、財産などを欠くため、支払時期を過ぎても継続してすべての借金を支払うことができない状態に陥り「支払不能」を裁判所に認めてもらい、法律上の手続きによって借金が免責(支払う義務がなくなる)される制度です。
全て免責されるからといって安易に選択できるほどデメリットは少なくありません。
自己破産のメリット
- 税金や国民健康保険料等を除く全ての借金が免責となる
自己破産のデメリット
- 自宅などの不動産をすべて失い、一定の他の財産も失う
- 住所氏名が官報に載る
- 一定の仕事に就くことを破産終了まで(約1年以内)制限される(株式会社の会社役員、警備員、保険の外交など)
- 管財事件として扱われる場合、破産終了まで引越しや長期の旅行など逐一裁判所に許可が必要
このようなデメリットはあるものの、借金の深刻な悩みから解放され、新しい人生をスタートさせることができる救済手段です。
そういった状況に陥った場合には、自己破産を検討することも悪くはないと思います。
番外編|夜逃げなどで踏み倒すとどうなる?
これは[おすすめしない方法]としてご紹介します。
借金を何の措置もとらずに踏み倒しをするとどうなるでしょうか?
もちろん道徳的にもおすすめはできませんし、割にも合わないと言えるのでやめておいた方がよいでしょう。
借金は犯罪ではありませんので上記で述べた方法の正攻法で解決するのが得策です。
夜逃げ・踏み倒しのデメリット(メリットはありません)
- 労力や資金が必要
- 気持ちが安らかになることがない
- 家族にも不安を与える
- すべての公の手続きをしにくい
- 時効も期待できない
詳しい解決に向けたアドバイスは不動産あんしん相談室®️の無料相談までご連絡ください!
一緒に借金問題を解決しましょう。