40代・50代離婚増加の理由は？住宅ローンが残っている家を妻が買い取る方法

不動産あんしん相談室では、離婚に伴い持ち家の問題について多くご相談が寄せられます。離婚されるご夫婦の年代は多岐に渡りますが、近年では40代・50代で離婚される方が増えています。

この年代の方は、ある程度、経済的余裕もあり、住宅ローン残債も減ってきていること多いことから、当相談室では奥様が自宅を買い取ることをご提案するケースも少なくありません。

トモニママ

そこで本記事では、離婚後、住宅ローンが残っている家を妻が買い取る方法を解説します。

離婚は3組に1組！熟年離婚も少なくない

厚生労働省によれば、2022年度の離婚件数は17万件超。婚姻数が約50万件であることを考えると、実に3組に1組は離婚しているという状況です。

出典：厚生労働省

離婚率を女性の年齢別で見てみると、40代も決して少なくなく、50代以上に至っては、20代〜40代の離婚率が低下しているなか上昇傾向にあることがわかります。

40代・50代の離婚で妻が自宅を買い取るべき理由

40代・50代は、離婚適齢期といっても過言ではありません。その理由のひとつが、経済的な余裕があり、ローン残債も減っていることから、自宅を買い取れる可能性が高いからです。

多くの場合、自宅の名義は夫単独、あるいは夫婦の共有名義になっています。離婚後も名義を変えずに妻や妻子が自宅に住み続けることも可能ですが、その場合、元夫の返済が滞り、家が差し押さえられてしまうリスクがあります。元夫に自宅の支払いを続けてもらうことで、完全な自立ができないと考える方もいらっしゃいます。

また、将来のことを考え「確実に自宅を子どもに相続できるようにしておきたい」という声も少なからず聞かれます。相続を考えても、元夫の単独名義、あるいは元夫との共有名義であることは望ましくなく、妻の単独名義とする意義は大きいものと考えられます。

妻が自宅を買い取る方法（名義変更）とタイミング

一般的な不動産売買とは異なることから「いつ」「どうやって」名義を変えればいいのか想像しにくいのではないでしょうか。

タイミングとして適しているのは「離婚後」。

トモニママ

名義を変える方法は、奥様単独名義の融資を受け、自宅を買い取るという流れになります。

住宅ローンの名義を変えるには？

住宅ローンとは、債務者（お金を借りる人）と債権者（お金を貸す人）の契約のうえに成り立っています。原則的に、債務者を変えたり、共有名義を個人名義に変えることはできません。

従って、夫名義あるいは夫と妻の共有名義の住宅ローンを妻の単独名義にするには、夫婦間で売買し、住宅ローンを借り換える必要があります。

買い取るのは「離婚後」

妻が自宅を買い取るのに適したタイミングは、多くの場合「離婚後」です。その理由は、融資にあります。

金融機関は、家族間の売買に対する融資に対し、非常に慎重になるものです。しかし、離婚後であれば戸籍上、赤の他人同士の売買となるため、融資をしてくれる金融機関が見つかりやすくなります。

物件価格全額のローンを組む必要はない

たとえば、不動産としての価値が3,000万円、住宅ローン残債が1,000万円の自宅を、妻が3,000万円で買い取らなければならないかといえば、そうではありません。資産価値とローン残債の差額である2,000万円については、財産分与の対象となるからです。

とはいえ、差額分のすべてを分与してもらえるのか、あるいは一部とするのかは離婚条件次第です。事前に、弁護士や金融機関を含め、夫婦間で話し合う必要があるでしょう。

妻が自宅を買い取るまでの流れ

自宅を買い取るまでには、早くても1ヶ月ほどはかかると考えておきましょう。具体的な流れは、次のとおりです。

査定

元夫婦間の売買だとしても、相場通りの金額で取引しなければ、いずれかが「贈与した」とみなされかねません。必ず、不動産会社の査定を受けたうえで取引価格を決めましょう。

住宅ローン仮審査

取引価格が決まったら、続いて住宅ローンの仮審査を受けます。仮審査にかかる時間は、数日から1週間程度です。

不動産売買契約

仮審査に通過して初めて不動産売買契約が締結できます。ただし、名義変更はまだ先です。売買契約では、売買契約書への署名・捺印や手付金の授受が行われます。

住宅ローンの本審査

住宅ローンの本審査は、売買契約の後です。審査にかかる時間は、1週間〜2週間程度。本審査に通り次第、融資実行および物件引き渡しとなります。

融資実行・引き渡し・残代金決済

融資実行により手付金を除いた残代金を支払い、不動産の引き渡しとなります。ここで元夫が住宅ローンを完済し、家の名義も住宅ローンの名義も元妻となります。

ご相談は不動産あんしん相談室へ

持ち家を自分名義にしたいというご要望があっても「どこに相談すればいいのかわからない」といった声も多く聞かれます。お困りの場合は、不動産あんしん相談室にお任せください。

トモニママ

離婚に伴う持ち家の売買およびローン名義の変更は、金融機関、不動産会社、弁護士の連携が不可欠です。

当相談室は「離婚と不動産」を専門のひとつとしている一般社団法人。一般的な不動産会社のように「売買」を目指しているのではなく、ご相談者様の問題・課題の「解決」を目的としています。弁護士などの士業や金融機関と連携したうえで業務にあたらせていただいておりますので、ワンストップでサポートさせていただくことができます。

初回30分は、ご相談無料です。「配偶者と揉めている」「自宅をどうすればいいか悩んでいる」「名義を変えたいけど収入が少ない」といったお悩みにも対応しております。女性コンサルタントが対応させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。