離婚は、親権や財産分与、慰謝料や年金分割など、やらなければなないこと・問題になることが多くあります。「自宅」もまた、離婚に際して揉める要因の1つです。
当相談室は不動産のプロではありますが、離婚協議を円滑かつ有利に進めるには弁護士のサポートが不可欠。
【奥様方の弁護士からの相談】リースバック希望
弁護士から不動産あんしん相談室に「ご相談者様のリースバックをしてもらえないか?」とご相談いただきました。
ご相談者様とは、当該弁護士が担当している離婚案件の奥様。現在、旦那様名義のマンションに奥様、旦那様、お子様の3人で住んでいますが、離婚後も引き続き、奥様とお子様が住み続けたいというご要望でした。
リースバックとは
リースバックとは、お住まいを売却した後、買主から賃貸することでそのまま住み続けられる不動産売却方法です。
当相談室がご自宅を買い取ったあと貸主に、奥様が借主となることで、ご売却後も奥様とお子様が転居することなく、ご自宅に住み続けられます。
しかし、リースバックには次のようなデメリットがあります。
リースバックのデメリット
リースバックにおける賃料は「相場」を踏まえて設定されるわけではありません。投資物件と同様、物件のもつ「収益性」から買い取り価格や賃料が決まります。
たとえば、3,600万円で買い取られた物件の1年間の賃料は360万円が目安。この場合、1ヶ月あたりの賃料の目安は25万円~30万円となります。
本事例はご家族で住んでいた物件が、比較的新しく、評価の高いマンションでしたので、賃料もそれだけ高額に。奥様は正社員として働かれていましたが、これからシングルマザーとして生計を立てていかれることを考えると、リースバックした場合の賃料は高額でした。
妻は夫名義の自宅を買い取れるのか?
奥様が自宅を買い取ることをご提案したものの、実は、夫婦間の不動産売買は難しいと言わざるを得ません。
親族間売買は難しい
夫婦間で、不動産の売買ができないということはありません。しかし「融資」の問題から、夫婦間など親族間での不動産売買は難しいといえます。
金融機関は、親族間売買に対する融資に消極的です。その理由は、親族間での不動産の所有権の移行は「贈与」や「相続」が一般的だからです。
金融機関は、売買に見せかけて融資を受け、不動産購入以外の用途に融資したお金を利用されてしまうことを危惧しているということです。
「離婚後」には融資が下りることも
離婚すれば、夫婦も他人同士です。
しかしながら「元夫婦」という関係性の深さから、離婚後も元夫婦間の不動産売買への融資に慎重になる金融機関も少なくありません。
ただ、やはり離婚後のほうが融資してくれる金融機関は増えるため、融資条件も良くなる傾向にあります。
奥様の勤続年数は1年以下
奥様は離婚当時、正社員だったものの、就職から1年が経過していない状況でした。
多くの場合、勤続年数も融資審査の対象となるものです。国土交通省が行った「令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査」では、勤続年数を審査項目の1つとしている金融機関の8割以上が「勤続年数1年以上」を融資条件としていると回答しています。
【結果】奥様が住宅ローンを組んで旦那様から自宅を買い取った
- 元夫婦間の不動産売買
- 勤続年数が短い
この2つの点が懸念されたものの、結果的に奥様は離婚後、自ら住宅ローンを組んで、元旦那様から自宅を買い取ることができました。
奥様が組める住宅ローンをご紹介
まず不動産あんしん相談室が行ったのは「勤続年数1年以下」かつ、離婚まもない夫婦間売買でも住宅ローンを融資してくれる金融機関探しです。
複数の金融機関に融資審査を出したところ、奥様でも安心して住宅ローンを組める金融機関が見つかり、離婚成立後、元旦那様から元奥様が自宅を買い取ることができました。
毎月のローン返済額<リースバックした場合の家賃
リースバックは「自宅を売っても住み続けたい」という方にとって、適した不動産売却方法です。離婚に際してリースバックを選択される方も少なくありません。
しかし、本事例のように買主様(奥様)が融資を組めて、長く住み続ける場合には、名義人から買い取るほうが、その後の生活の負担は少なくなるケースもあります。
奥様が毎月、返済する金額も、周辺の家賃相場並みに抑えることができました。引っ越す必要がなく、お子様の学区はもちろん住環境を変えずに生活を続けられることで「離婚後のリスタートも切りやすくなった」と大変、喜んでいただけました。
弁護士との連携でスムーズな解決に
離婚後の生活の基盤となる自宅を買い取ることができた奥様ですが、離婚協議は「自宅」だけが問題になるわけではありません。
親権や養育費、財産分与、年金分割などの協議を同時進行で進めたからこそ、奥様は最良の選択ができたのです。当相談室だけでサポートさせていただける範囲は限定的。私たちも、弁護士の先生と連携させていただく重要性を改めて感じた事例です。
まとめ
夫婦間売買は、融資の問題から容易ではありません。しかし、離婚後であれば融資してくれる金融機関はあります。
また、勤続年数に関しても「転職・就職後、間もないと融資がおりない」と思われがちですが、融資可能な金融機関がないということではありません。
今回は、奥様が旦那様名義のご自宅を買い取るご提案をしましたが、もちろんリースバックが効果的なケースもあります。リースバックも、不動産売買も、離婚に際しての選択肢の1つ。不動産あんしん相談室では、弁護士の先生方やその他の専門家と連携して、ご相談者様のご状況・ご意向にあった提案をさせていただきます。
不動産のお悩み30分無料相談実施中
当相談室では、お電話での初回30分無料相談を実施しております
※氏名および地域名を公表いただける方のみ
※その後30分毎に5,000円(税別)で対応可
※無料相談内でご満足いただけた場合は、口コミ投稿もしくは寄付をお願いしております
LINEやZoom、FaceTime、メール、電話などあらゆるデバイス・アプリでご相談いただける体制を整えておりますので、1人で悩まず、ぜひ一度不動産あんしん相談室までご相談ください。
電話:0120-619-099(通話料無料)
メール:お問い合わせフォーム
LINE:不動産あんしん相談室「LINE」お友達登録