マンションに住んでいると、毎月の家賃やローンの他に「管理費」と「修繕積立金」という出費がありますよね。でも、予期せぬ出費が重なったり、収入が減ったりして、支払いが遅れてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、もしも管理費などが払えなくなってしまった場合に、どんなことが起こるのか、また滞納しそうになったときはどうすれば良いのかをわかりやすく解説していきます。
1. 管理費と修繕積立金って何のためにあるの?
まず、管理費と修繕積立金がそもそも何のためのお金なのかを確認しておきましょう。
管理費の使い道
管理費は、マンション全体の共有部分を維持するために使われるお金です。例えば
- エレベーターの点検や修理代
- 廊下や階段の電気代
- 建物の掃除代
- マンションの管理人さんの給料
- 建物の保険料
つまり、マンションに住む皆さんが快適に暮らせるようにするための、いわば「共同の家計費」というわけです。
修繕積立金の使い道
修繕積立金は、建物の大きな修理に備えて、みんなで少しずつ貯めておくお金です。
- 外壁の塗り替え
- 屋上の防水工事
- 給水管の取り替え
- エレベーターの買い替え
などの大きな工事に使われます。これは、マイホームの「将来の貯金」のようなものです。
2. 支払いが遅れるとどうなるの?
では、もし管理費や修繕積立金の支払いが遅れてしまった場合、一体どのようなことが起きるのでしょうか。
最初はどんな対応があるの?
1. お知らせが届く(1~2ヶ月遅れた場合)
- 管理組合からお手紙が届きます
- 電話で連絡が来ることもあります
2. 正式な督促状が届く(3~4ヶ月遅れた場合)
- 内容証明郵便という特別な手紙が届きます
- いつまでに払ってほしいか、具体的な期限が書かれています
3. 延滞金(遅れた分の追加料金)がかかる
- 遅れた期間に応じて追加の料金がかかります
- どんどん支払う金額が増えていってしまいます
滞納が長期化すると競売になる可能性も
長期化してしまうと、さらに深刻な事態になります。
まず、住民総会での議決権が制限されたり、管理組合から信用を失うなど、マンションのコミュニティ内での立場が弱まっていきます。
そして何より、膨大な滞納金と遅延損害金の支払いを求められ、自己破産も視野に入ってくるかもしれません。滞納が長期化し、管理組合との話し合いも決裂すれば、最悪の場合、マンションが競売にかけられる可能性があります。
ご近所との関係
- 住民総会で意見が言えなくなることも
- マンションの理事会から信頼を失ってしまう
- ご近所付き合いがしづらくなる可能性も
お金の面で困ること
- 支払う金額がどんどん増える
- 個人の信用記録に残ってしまう
- 裁判などになると余計なお金がかかる
3. 本当に家を競売されることになるの?
管理費や修繕積立費は、住宅ローンに比べると少額であるため、1年間滞納してもたいした金額ではない、まとめて払えばいいやと油断しがちですが、何年も滞納すると支払いができず、競売にかけられるケースがあります。
競売に至るプロセスは、まず管理組合から支払い督促の申し立てがなされ、裁判所で債務名義(支払い義務)が確定します。それでも支払いがなされない場合、最終的に強制執行として差し押さえと競売の手続きに進むのです。
競売までの流れ
1. 法的な手続きが始まる
- 裁判所からお手紙が届く
- 話し合いの場が設けられる
2. 支払いを命じる正式な書類が作られる
- 裁判所での判決
- 話し合いでの約束事を書面にする
3. 最終的な強制執行
- 財産の差し押さえ
- 競売の手続き開始
4. 競売になる可能性はどのくらい?
では、実際にこうした事態に至る可能性はどのくらいあるのでしょうか。滞納期間が長期化し、しかも滞納額が大きい場合ほど、競売のリスクは高くなります。
例えば、6ヶ月以上の長期滞納や、100万円を超える滞納金額、管理組合との協議拒否などの場合は、競売に至るリスクが現実的なものとなります。
- 半年以上も支払いが滞っている
- 滞納金額が100万円を超えている
- 管理組合との話し合いに応じない
- 他にもローンなどの借金がある
5. 管理費を滞納しそうになった場合の対処法
支払いが遅れそうになったら、まずは管理組合に状況を説明し、これからの支払い計画を相談しましょう。これを放置し、滞納期間が伸びるとどんどん競売へ進んでいくことになります。
競売を避ける救済措置として「任意売却」という方法が知られていますが、ご相談時期が早ければ競売を回避できた事例でも、近年はご相談のタイミングが遅いことで間に合わないケースが非常に増えております。
また、どうしても今の家に住み続けたい場合は、不動産会社などに売却し、家賃を払って住むことができる「リースバック」や、資金が貯まったら自宅を再購入することができる「買戻し」という方法もあります。
何か困ったことがあれば、一人で抱え込まずに早めに相談することが大切です。滞納してから動くのではなく、少しでも支払いが遅れそうと思ったら、すぐに行動して解決策を見つけましょう。
まとめ
住宅ローンを支払っていても、マンションの管理費や修繕積立金の支払いが遅れると、徐々に深刻な状況に追い込まれていくことをご理解いただけたかと思います。問題は「滞納しているのに放っておくこと」であり、最悪の場合、自宅の競売にまで発展する可能性がある、近年よくある大きな不動産問題の1つです。
しかし、早期に対応と相談をすれば、深刻な事態を回避できる可能性があります。マンションの管理費や修繕積立金は、住む人全員で協力して負担していくもの。
不動産のお悩みLINE無料相談実施中
当相談室では、LINEでの無料相談を実施しております
※氏名および地域名を公表いただける方のみ
お電話の場合は30分無料、その後30分毎に5,000円(税別)で対応可
(料金は先払いとなります。また土日祝はLINE相談のみ)
無料相談内でご満足いただけた場合は、口コミ投稿をお願いしております
LINEでお気軽にご相談いただける体制を整えておりますので、1人で悩まず、ぜひ一度不動産あんしん相談室までご相談ください。
電話:0120-619-099(通話料無料、土日祝不可)
メール:お問い合わせフォーム
LINE:不動産あんしん相談室「LINE」お友達登録