昨今の低金利にあやかりマイホームの購入を検討されておられる方が多いのではないでしょうか?
購入したい住宅とご自身のライフスタイル・将来のプランなどのバランスを考え、無理のない返済ができれば一番ですね!
さて、これからマイホームの購入する方たちには関係のないお話ですが、かつて住宅金融公庫(現在の住宅支援機構)が販売していた商品に「ゆとりローン」という住宅ローンの商品がありました。
この商品はバブル崩壊後の平成4年(1992年)から始まった住宅ローンですが、この頃の日本の社会ではまだバブルの余韻もあり
- 年齢と共に退職するまで給料は上がり続ける
- 終身雇用が確立されていて定年まで安定した収入が見込める
- 購入した物件は将来にわたり価値が保たれる
といった、好景気時の日本では当たり前だった事が今後も続く、と想定し売り出された商品でした。
万が一、怪我や病気で働けなくなっても物件を売却することでローンの返済も可能だと思われていたのです。
ゆとりローンの仕組みとは
さて、この「ゆとりローン(ゆとり返済)」の返済の仕組みは、当初5~10年間のゆとり期間中は返済金額を抑え、その分をゆとり期間終了後に上乗せして支払うというものでした。
当初の5年の低金利(2%の50回払い計算)のローン中に返済出来る金額は金利のみなので、元金が残ったまま6年後には通常時(2%35回払い計算)に移行し、11年後には最初の5年間に月々の支払い額の倍ほどの金額を払うことになるのです。
冷静に考えれば、先の見えない未来にこのような返済プランはどう考えてもリスクが高いのでは?!と思うのは世知辛い世を生きる現代人!
当時はバブル崩壊後といえど、年功序列・終身雇用制度が当たり前の世の中だったので、家を買うにはまだ若い世代や所得に見合わない家を買いたい人が「ゆとりローン」を利用し、住宅を購入したのでした。
ゆとりローンの大きな問題
ところが約20年後の日本の現在はそういった甘い想定とはかけ離れたものとなり、一部上場企業にお勤めであっても、いつリストラに遭うかは誰にもわからない不安定な雇用情勢です。
当時のゆとりローンで借り入れした方には、無理な借り入れをした方が多くいらっしゃいました。
例えば最初の5年間は月々の返済が家賃並みの8万円だったのが、6年目には14万円に!
6万円の上乗せでも家計にかかる負担は大きいですが、11年目にはさらに上がり、月々の支払いが16万円になるわけです。
「頭金0円・家賃並みの返済額で家が買える!」と謳われた結果、年々苦しくなる住宅ローンの返済に頭を抱える人が多くなりました。
ゆとりローンは借り換えするべき?
平成12年(2000年)に廃止となったゆとりローンですが、今でもこの仕組みのせいでローンの支払いが困難となり、ご相談来られるお客さまが多くいらっしゃいます。
不動産あんしん相談室®️ではファイナンシャルプランナーをはじめ、お客さまの今後をサポートしながら、どういった形で返済すればよいか、ご提案できる専門分野の知識をもつアドバイザーがおります。
当相談室には女性スタッフが多く在籍しておりますので、女性の方お一人でも安心してご相談にいらしてください。