離婚後も夫の単独名義、あるいは夫婦の共有名義の家に妻が住み続けるには、いくつか方法があります。名義を変えずに妻が住み続けることも可能ですが、この場合、夫の住宅ローン返済が滞ってしまうことで強制退去を迫られるリスクがあり、年々お客様から同じようなお問合せが増えている現状です。
結論からお伝えすると、離婚後に自宅を妻の名義とするには「持分の買い取り」「住宅ローンの借り換え」という2つの選択肢があります。
妻が夫の持分を買い取る
「持分を買い取る」というのは、妻が夫の持分を買い取って住宅ローンを組む方法を指します。たとえば、妻が1/2・夫が1/2を持っていた場合、妻が夫の1/2の持分を買い取り、妻の単独所有とします。
- 離婚後、夫に依存せずに自宅に住み続けることができる
- 住宅ローンを控除を受けられる
妻単独の所有としたうえで自宅に住み続ければ、離婚後に夫のローン返済を気にしたり、経済的に夫に依存したりすることがなくなります。
夫婦共有・夫単独名義から妻単独名義の住宅ローンに借り換える
住宅ローンの借り換えによって夫単独名義や夫婦共有の家の名義変更をする場合も、結果的に妻の単独名義の家になることは買い取りと変わりません。しかし、「売買」ではないことから「諸費用」と「手続き方法」に違いがあります。
- 離婚後、夫に依存せずに自宅に住み続けることができる
- 買い取りと比べて諸費用が安く済む
離婚後に夫のローン返済を気にしたり、経済的に夫に依存せずに済むことも買い取りとは変わりません。ただし、売買と比べると諸費用が抑えられます。売買には、取引価格の4%程度の手数料が必要ですが、借り換えにかかる手数料は金融機関によるものの融資額の2%前後が一般的です。
離婚後に妻単独名義の住宅ローンに借り換えるには?
夫の持分を買い取る場合も同様ですが、妻単独名義の住宅ローンに借り換える場合は、妻に一定の収入と信用が求められます。
妻に求められる「一定の収入・信用」とは
基本的に、住宅ローンは正社員や公務員など、安定した収入が得られる人が有利とされています。どの程度の収入が必要かは、融資額によるところです。
正社員や公務員であったとしても、すでに融資可能額ぎりぎりまで借り入れていて、借入当時からほとんど残債も減っていない状況にあれば、夫の持分を含めた金額を融資してもらうのは難しいといえるでしょう。
逆に、離婚時点で住宅ローン残債がある程度減っていれば、パートやアルバイト勤務だったとしても審査に通る可能性があります。
また、収入の程度にかかわらず、金融機関は信用のない人に融資することはありません。信用のない人とは、具体的には住宅ローンや他の借り入れ、税金などの滞納歴がある人です。金融機関は、これらの履歴を信用情報で確認できます。
クレジットカードの支払いの遅延なども信用情報に関わり、滞納などの履歴は一定期間消えることがないため、日頃から信用が得られる状態にしておくことが大切です。
離婚時の住宅ローンの借り換えはしやすくなってきている
離婚の数が増え、共働きでペアローンや収入合算などで住宅を購入する方も増えていることから、昨今では金融機関も離婚時の住宅ローンの借り換えに柔軟に対応しています。従来までと比べて融資も通りやすくなっており、住宅購入時より金利が下がっている可能性もあるため、離婚時には借り換えを積極的に検討してみましょう。
借り換えの流れ
住宅ローンの借り換えは、次のような流れで進みます。借り換えにかかる期間は、1ヶ月前後です。
1.不動産の名義と住宅ローン残債の確認
まずは、不動産の名義と住宅ローン残債を確認しましょう。名義は登記簿謄本(登記事項証明書)で、住宅ローン残債は借入時の返済計画表や毎年送付される住宅ローン残高証明書で確認できます。
借入後に繰り上げ返済をしている場合は当初の返済計画と異なるため、金融機関に問い合わせるなどして確認することをおすすめします。
2.仮審査
金融機関に借り換えを申し込んだら、まずは「仮審査」の手続きが始まります。仮審査には、次のような書類が必要です。
- 本人確認書類
- 住宅ローンの名義人になる方の収入がわかる書類(源泉徴収票など)
- 物件情報がわかる書類
- 返済中のローンの内容がわかる書類(返済計画表やローン残高証明書など)
数日から1週間程度で仮審査の結果が出ます。
3.本審査
仮審査に通過次第、「本審査」に移行します。仮審査は機械的に審査されますが、本審査では数週間かけて返済能力や信用情報、物件の情報が審査されます。本審査では、新たに次のような書類を提出します。
- 申込書
- 印鑑証明書
- 住民票
- 購入時の売買契約書や工事請負書、重要事項説明書など
本審査にかかる期間は2〜3週間程度です。
4.融資の実行
本審査に通ると、契約手続きを経て融資実行となります。
まとめ
今回は、妻の単独名義にする「持分の買い取り」と「住宅ローンの借り換え」を比較しました。どちらが正解ということはないものの、住宅ローン控除が受けられるという点から、不動産あんしん相談室では基本的に「買い取り」をおすすめしております。
ただし、物件価格や住宅ローン控除を受ける方の収入などによっても控除額は異なるため、買い取りと借り換えの諸費用の差なども算出したうえで、ご相談者様に合った選択肢をご提案させていただきます。
当相談室では、必要に応じて弁護士などの専門家と連携したうえで、あらゆる選択肢を考慮しながらご相談者様に適した方法をご提案いたします。初回相談は30分まで無料です。電話や対面はもちろん、ZoomやLINEなどあらゆるデバイスに対応しておりますので、ご気軽にご相談ください。まずはお気軽にご相談ください。
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