離婚を考えるとき、多くの不安や疑問が浮かんできます。特に住宅ローンが残っている場合、「このローンはこれからどうなるの?」「誰が返済を続けるの?」という心配が大きいでしょう。
この記事では、離婚を検討している方、特に住宅ローンが残っている妻の方に向けて、よくある疑問や悩みにお答えします。専門家の視点から、離婚後の住宅ローンの扱い方や注意点について解説します。
よくある質問と回答

Q1: 住宅ローンが夫の単独名義の場合、妻は住み続けることができますか?
住宅ローンの名義と居住権は別の問題なので、住み続けることは可能です。
(夫が単独名義でも、離婚協議や調停で妻の居住権を認めることができます)
ただし、「Q2: 離婚後に住宅ローンの返済が滞った場合、どうなりますか?」でご紹介しているようなリスクがあるため、当相談室としてはおすすめしません。
Q2: 離婚後に住宅ローンの返済が滞った場合、どうなりますか?
滞納が続くと、最終的には競売にかけられる可能性があります。
また、夫単独の住宅ローン名義の家に妻が住み続ける場合、収入減・再婚・病気などの理由で、家を出た夫がローンが支払えなくなるケースも少なくなく、こちらも返済を滞ると自宅は競売にかけられ、妻が家を追い出されることになります。
Q3: 子どもが成人するまで妻が住み続け、その後売却する取り決めは可能ですか?
可能です。これは「期限付き居住権」と呼ばれる方法で、離婚協議書や調停調書に「子どもが成人(または大学卒業など)するまで妻が居住し、その後売却して利益を分配する」と明記します。この方法は子どもの環境を守りながら、将来的には夫の財産権も確保できるバランスの取れた選択肢です。
離婚協議書の作成を検討されている方は、ぜひこちらをご利用ください。

Q4: 妻名義で住宅ローンを借り換える場合、どのくらいの収入が必要ですか?
一般的には、年収の25〜30%程度が住宅ローンの年間返済額の上限とされています。
ただし、他の借入金の有無や勤続年数、雇用形態なども審査に影響するため、一概には言えません。パートやアルバイトの場合は、正社員より厳しい審査基準が適用されることも多いのですが、ローン残高によっては年収150万円程度でも認められたケースがあります。ぜひ諦めず、事前にご相談ください。

Q5: 住宅ローンの返済中に夫が亡くなった場合はどうなりますか?
多くの住宅ローンでは団体信用生命保険(団信)に加入しているため、債務者が死亡した場合は保険によってローンが完済されます。ただし、病歴の告知義務違反があった場合などは保険金が支払われないケースもあります。
団信に加入していない場合、住宅ローンは相続財産となり、相続人が返済を継続するか、住宅を売却して返済する必要があります。
Q6: 離婚協議書に住宅ローンについての取り決めを書いても法的効力はありますか?
離婚協議書は夫婦間の合意を示す書類ですが、金融機関(銀行)に対する効力はありません。例えば「住宅ローンは夫が支払う」と協議書に記載しても、銀行からすれば住宅ローン契約時の債務者(夫婦両方など)に支払い義務があります。
よって、協議書に加えて銀行での正式な手続き(債務者変更など)も必要です。公正証書にすることで強制執行認諾文言を付けることができ、不履行の際の法的手続きが容易になります。
Q7: 住宅を共有名義のまま、妻が住み続けることはできますか?
可能ですが、「Q2: 離婚後に住宅ローンの返済が滞った場合、どうなりますか?」でご紹介したようなリスクが考えられるため、将来的なトラブルを避けるためにも、以下の点を明確に取り決めておくべきです。
- 住宅ローンの返済は誰がどのように行うか
- 修繕費や固定資産税などの負担割合
- 将来売却する場合の手続きや利益の分配方法
- 再婚などにより居住状況が変わった場合の対応
共有名義を続けると、将来的に一方が死亡した場合の相続問題や、再婚による複雑な権利関係が生じる可能性があるため、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
Q8. 妻が専業主婦だった場合でもローンの引き継ぎは可能ですか?
妻が専業主婦で収入がない場合、ローンの引き継ぎは難しくなります。
ただし、以下の方法で対応できる可能性があります。
- 親族からの支援を受ける
- 就職して安定した収入を得る
- 金融機関に相談し、条件を確認する
Q9. 夫がローンを支払わなくなった場合、どうなりますか?
夫がローンを滞納すると、住宅が差し押さえられる可能性があります。そのため、離婚時に支払いの確約を得るか、別の方法(売却や借り換え)を検討する必要があります。
Q10. 子どもがいる場合、どの選択がベストでしょうか?
子どもの生活環境を考慮すると、住み慣れた家に住み続けることが理想的だと言えるでしょう。そのためには、
- 妻がローンを引き継ぐ
- 夫が支払いを継続するが、公正証書で支払い義務を明確にする
などの方法を検討することが重要です。
Q11: 家の名義を妻に変更する際の費用はいくらくらいかかりますか?
所有権移転登記には主に以下の費用がかかります。
登録免許税:不動産評価額の0.4%(住宅用家屋の場合)
司法書士報酬:5〜10万円程度
印紙税:不動産の価格により変動
固定資産評価証明書取得費用:数百円
たとえば、評価額2,000万円の住宅なら、登録免許税は8万円、合計で15〜20万円程度が必要になります。ただし、財産分与による移転の場合は税制上の優遇措置があるため、必ず専門家に相談してください。
Q12: 住宅ローンの名義を妻に変更する際の費用はいくらくらいかかりますか?
妻がローンを借り換えし、名義を変更する場合は「家の売買契約」と「住宅ローンの借り換え」が必要になります。
まず家の売買契約にかかる諸費用は、売主、買主ともに次のとおりです。
- 仲介手数料:売買金額×3%+6万円(税別)
- 印紙税:売買金額に応じて1万円〜6万円程度
たとえば1,500万円の不動産を購入した場合、仲介手数料は税込51万円、印紙税は1万円(軽減税率)がかかります。
次に、ローンの借り換え費用です。ローンの借り換えにあたっては、既存のローンを完済し、新たなローンを組むことになります。
詳細は以下のページでご紹介しておりますので、参考にしてみてください。

まとめ:スムーズな解決のためのチェックリスト
離婚時に妻が住宅ローン付きの家に住み続けるためのチェックリストをご用意しました。
□ 住宅ローンの残高と住宅の現在価値を確認
□ 住宅と住宅ローンの現在の名義を確認
□ 妻単独での返済能力を計算
□ 銀行での名義変更や借り換えの可能性を確認
□ 離婚協議書に住宅とローンについての取り決めを明記
□ 所有権移転登記の手続きと費用を確認
□ 将来的なリスクに備えた対策を検討
離婚は感情的になりがちですが、住宅ローンと居住権については冷静な判断が必要です。将来的なトラブルを防ぐためにも、すべての取り決めを書面で残し、専門家のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
住み慣れた家に住み続けることは、特に子どもがいる場合には大切なことです。しかし、将来的な金銭的負担やリスクも考慮した上で、最適な選択をしましょう。どのような選択であれ、長期的な視点で自分と子どもの生活の安定を第一に考えることが重要です。
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