離婚を理由に住宅ローンの名義だけを夫から妻へ、または妻から夫へ変更することは、通常はできません。住宅ローンは申込者の収入・勤務状況・信用情報・担保価値を審査して締結した契約であり、変更には金融機関の再審査と承諾が必要です。
家に住み続けたい場合は、借り換え、債務引受、親族を含む新たな資金計画、売却後のリースバックなどを比較します。所有権名義だけを先に変更すると契約違反や税務上の問題につながることがあるため、金融機関へ相談する前に現状を整理しましょう。
不動産名義と住宅ローン名義は別
- 不動産名義:登記事項証明書に記載される所有者
- 住宅ローン名義:ローン契約上の債務者・連帯債務者・連帯保証人
- 抵当権:返済できない場合に金融機関が担保不動産から回収する権利
離婚協議書で返済担当を決めても、金融機関との契約は自動的に変わりません。また、金融機関の承諾なく所有権を移転するとローン契約の条項に抵触する場合があります。
名義を整理する5つの選択肢
| 方法 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 単独名義で借り換え | 住み続ける側に安定収入がある | 新規審査・諸費用が必要 |
| 債務引受・条件変更 | 現在の金融機関が対応可能 | 商品・審査により可否が異なる |
| 親子ローン等を検討 | 本人単独では審査が難しい | 親族の返済責任と相続を確認 |
| 通常売却して完済 | 査定額が残債を上回る | 住み替え時期と精算方法を決める |
| 任意売却・リースバック | 完済が難しい/売却後も居住希望 | 債権者同意、家賃、契約条件を確認 |
手続き前にそろえる情報
- 登記事項証明書で所有者と持分を確認
- ローン契約書で債務者・保証人を確認
- 残高証明書で住宅ローン残債を確認
- 不動産査定でアンダーローン/オーバーローンを判断
- 住み続ける側の収入・他の借入れ・希望返済額を整理
住み続ける場合の判断手順
まず、住み続ける側だけで返済できるかを試算します。次に借り換え可能性を金融機関へ確認し、難しければ親族支援、売却、リースバックを比較します。家を残すことだけを優先し、教育費や生活費を圧迫する返済計画にしないことが重要です。
当相談室の普通賃貸借によるリースバック提案では、一方的な家賃値上げを前提としていません。ただし売却価格と家賃、契約期間、修繕負担、買戻し条件を必ず書面で確認してください。
失敗しやすい進め方
- 金融機関へ無断で所有権移転登記をする
- 離婚協議書だけでローン名義が変わると思う
- 査定せず、残債と家の価値を比較しない
- 元配偶者の返済を前提に長期間住み続ける
- 連帯保証人・連帯債務者を見落とす
よくある質問
妻がパート勤務でも夫から妻へ変更できますか?
収入だけでなく年齢、勤続、他の借入れ、担保価値などで審査されます。変更ではなく借り換えとして検討するケースが一般的です。
所有権名義だけ先に妻へ変えてよいですか?
ローン契約違反や課税の可能性があるため、金融機関・司法書士・税理士へ事前確認してください。
借り換えが否決されたら家を手放すしかありませんか?
親族支援、売却後のリースバックなど別の選択肢があります。家計と法的リスクを含めて比較します。
名義変更の詳しい手順、名義変更サポートと料金もご覧ください。
名義変更にかかる費用と期間
借り換えや元配偶者間売買では、融資事務手数料・保証料、仲介手数料、登記費用、印紙税、火災保険、不動産取得税等が生じる場合があります。総額は物件価格・金融機関・登記内容で変わるため、審査前の概算と承認後の正式見積りを分けて確認します。
事前審査から決済までは、書類が整った場合でも一定の期間が必要です。元配偶者との合意、金融機関の追加資料、抵当権、税務確認があると長くなるため、離婚届の提出時期だけで決めないでください。
相談時に必要な資料
- ローン契約書・返済予定表・残高証明書
- 登記事項証明書・購入時売買契約書
- 源泉徴収票・確定申告書等の収入資料
- 他の借入れ・養育費・生活費の一覧
- 離婚協議書案と住み続ける方の希望
当相談室の支援範囲
査定、資金計画、住宅ローン事前審査、売買契約、決済進行を支援します。離婚条件の法律交渉は弁護士、登記は司法書士、税務判断は税理士と連携します。
住宅ローン名義の整理を無料相談
0120-619-099、LINE、相談フォームから、現在の名義・残債・希望する居住方法をお知らせください。













