みなさんこんにちは、不動産コンサルタントの神田です。
離婚が原因でマイホームを任意売却するご家庭が増えてきました。
通常の不動産売却は住宅ローンが残っていると売却できないのですが、任意売却はそれが可能であるため、売却金額をローンの一括返済に充てることが可能です。
しかし、任意売却したからといって完済されるわけではなくて、売却金額で補えなかった分の負債は残ります。
今回は、任意売却後の残債を返済していく2つの方法について解説していきます。
①残債を月々支払っていく
まず1つ目は「残債を月々支払っていく」という方法です。
たとえば、名義は元夫、元妻は連帯保証人となっていたマイホームを売却したとしましょう。
残債が500万円ある場合、主債務者である元夫が月々支払っていきます。
これは銀行や債権者との話し合いで、月1〜2万円を月々ずっと払っていくという方法です。
月々返済はこんな方におすすめ
大前提として、残債を返せる見込みがある方です。
安定した収入の確保が期待でき、かつ事故などの不可抗力による滞納がある場合です。
たとえば、お勤めの職業が上場企業であったり、公務員の場合は安定収入の期待は相当高まります。
また、ご家族の病気や事故など、避けようのなかった場合です。
この場合、今後も収入は確保されながら、誠実に返していく見込みがたちますので、債権者やサービサーの心象も良くなりやすくなります。
そのため、比較的寛容な条件で話が進みやすいことが多いです。
元夫が死亡した場合はどうなる?
元夫が亡くなったとしても、残債がある場合は相続の対象となり、元妻が支払わなければなりません。
債務の連帯保証人はたとえ離婚しても解消されるものではなく、完済するまで付いて回ります。
②債務整理をする
債務整理とは主に下記3つのことを言います。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
債務整理にも色々ありますが、家を売却する方は自己破産を選択する方も多いです。
自己破産の場合、残債が0になりますので、そこから蓄えていったお金は純粋に資産となります。
99万円までは現金を持ったまま破産できるため、無一文で路頭に迷うこともありません。
債務整理はこんな方におすすめ
任意売却後の残債の返済が難しい方は、自己破産がおすすめです。
特に職を失っている場合は、この先支払いを続けられる見込みがグッと低くなるでしょう。
ただ、その場合でも、支払っていた期間が相当長くあった場合は、そもそも残債務が少なくなっているケースが多いので、後は滞納してしまった原因を探ることとなります。
その原因が、ギャンブルなどの浪費にある場合、依存性が推測されてしまいますが、基本的には収入と支出のバランスをみて返済額を決めることが可能です。
元夫だけが自己破産したらどうなる?
元妻が連帯保証人となっている場合、元夫が自己破産すれば、元妻にすべての残債を支払う義務があります。
なぜなら、離婚しても連帯保証人は解消されないからです。
二人とも自己破産したらこどもや親に請求される?
2人とも破産したら、請求がこどもや親・兄弟にいくのでは?と心配される方もいらっしゃいますが、それはありません。
あくまでも本人と保証人だけの話ですので、両者以外に請求がいくことはありません。